「そこそこ」を稼ぐにも準備が必要
だったら、「そこそこの結果でいいから」というので、銘柄選びを適当にしてもいいのかというと、そういうわけではありません。
“そこそこ”とは、あくまでも「ハイリスク・ハイリターンを狙わない」くらいの意味でしかないからです。
そこそこと言えるようになるためには、前もって、自分の資産計画をもとに「これくらいは欲しい」という利回りを算出しておく必要があります。
「どの銘柄がいいのか」は、その後の話です。
要は、「自分にとって必要最低限の利回りは何%なのか?」がわかっていないと、何が“そこそこ”なのかもわからない、ということなのです。
【「予測が難しければ、忘れて次へ進め」が意味するものとは?】
それでは、次の名言はこちらです。
《名言ピックアップ その2》
あなたが投資を検討している資産に対して、将来の収益を予測するのが難しければ、忘れて次に進みなさい。
すべての投資の可能性について予測のできる人間なんてどこにもいません。
全知全能である必要はないのです。
出典:『カリスマ投資家の教え』(著:川上穣/刊:日経ビジネス人文庫)
これまでにも度々、バフェット氏が「わからないものに投資をしない」ことを信条にしている、とお話ししてきましたが、ここでもその原則が貫かれています。
もともと、予測が簡単な銘柄などありません。けれど、コツはいくつかあり、その1つが「長期的目線を持つ」ということです。
市場では、需要と供給に応じて、価格が常に上下を繰り返しています。この価格の変動幅のことを、ボラティリティと言います。まず、インターネットなどで株価や為替の変動図を検索し、「1週間」「1ヶ月」と短期に区切ってみてください。その後で、これを「1年」「5年」と選択範囲を長くすると、同じ銘柄であっても、波が穏やかになったように見えます。ここから、「長期目線から投資を検討することで、価格差はある程度、許容できる」ことがわかります。
このように、投資とは基本的に時間軸を長くすることで、予測精度を上げることが可能となります。長い間にプラスとマイナスが相殺されるため、予測がしやすくなる、というわけです。
ですから、「長期目線を持ってしても、将来の予測が立てられない」場合、その銘柄はすでに投資対象から外れていることを意味します。