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トランプ大統領は案外対処しやすい相手?中国サイドからみた米中通商会議の現状とは=田代尚機

<安定がすべての業務の基調となる>

科学的な成長リズムといった点、経済発展の構造、質を重視するといった点から経済を考える必要があるが、“一つ目の百年目標を達成させる”といった観点から考えると、2020年の経済成長率は5.4%以上を確保すれば、達成できる(5年に一度行われる経済センサス調査の結果が11月22日に発表された。これによって実質値計算の基礎となる基準が更新され、過去に遡って統計が修正される。そのため、以前の実質値基準では6%以上の成長が必要であったが、新しい基準では5.4%以上でよくなった)。

<企業における金融環境は更にフレンドリーなものとなる>

金融市場のボラティリティが小さくなる。問題金融機関に対する処理の経験が豊富となることで、金融リスクに対する当局の対応能力が向上、システマティックな金融リスクが発生する可能性が低くなる。そのほかの問題についても、有効な解決方法が見つかる。2020年の金融に関する監督管理の重点は、実体経済へのサービスに移る

<金融政策と財政政策は構造的な面への偏重がさらに高まる>

製造業への投資を引き上げること、製造業企業の資金流動性問題を緩和することが重視される。そのほか、民営企業、中小零細企業の資金調達難を和らげることが重視される。

●インフラ建設投資、スラム街など旧市街の改造建設が投資の底打ち回復のカギとなる

不動産価格コントロール政策が緩むことはないが、調整の目標は“安定”するか、もしくは“下落しない”ことになる

●資本市場改革は引き続き深化し、科創板テストの経験は創業板や新三板に応用される可能性がある

農業関連は2020年、中央の特別な関心を受ける

アフリカ豚コレラの影響で、豚肉の生産量が急減、価格が急騰した。CPIは4%を超えて上昇しており、インフレ期待が高まり、金融政策の効果が表れていない。中央はこの問題を高度に注視しており、関連部門は豚肉の在庫放出などを行い、豚肉価格の安定に努めている。2020年は、豚肉価格を安定させ、それを維持することが、重要な業務の一つとなる。

どの角度からみても、過剰流動性が発生し、それが株式市場になだれ込み、株価の急騰を引き起こすようなことはなさそうだ。というよりも、株価急騰を含め、バブルの発生を抑えることが業務の一つの柱となっている。もっともこうした内容は、これまでのコンセンサス通りである。サプライズがあるわけではない。

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