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駆逐されるユダヤ系国際金融資本。米中通商交渉の裏で何が起きているのか?=斎藤満

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強硬論が修正

それはあまりに突飛な時間の会見でした。米国メディアはニューヨーク時間の朝9時半から中国が米中協議に関する会見を開くと報じていましたが、そこから30分遅れて10時過ぎに始まりましたが、北京時間では深夜11時過ぎです。調整に手間取って30分遅れ、深夜の会見となった背景には、ただならぬ事象があったと見られます。

そしてその後の米国側の説明と微妙な食い違いも見られました。多くの「識者」は、大統領選挙を控えたトランプ陣営が妥協したと言いますが、内容的にはトランプの「ディール勝ち」で、中国もかなり追い込まれていて、妥協せざるを得なかったようです。それでも、国内向けには「強い中国」を示すために、米国は良い製品を作れ、購入額など確約していない、と強がっています。

米国側からの説明では、中国が米国産農産物を2017年の2倍以上に当たる年間400億から500億ドル購入し、輸入全体を2年間で2000億ドル増やすことになっています。しかも、中国は知財権侵害、技術移転の強制もしないようにし、金融市場を開放することまで約束しました。その対価は9月の上乗せ関税15%を半分にし、15日予定の追加関税は延期する、というものです。

これが実行されれば、明らかに米国の交渉勝ちとなりますが、それでも中国はこれを受け入れざるを得ないほど、関税が負担になり、経済が疲弊していたことになります。しかし、それだけでこの合意に至ったとは思えません。何かが動いたはずです。それは11月21日のキッシンジャー元国務長官の訪中から始まったと見られます。

11月にキッシンジャーが訪中

トランプ陣営の参謀役を果たすキッシンジャー元国務長官は親中派として知られます。そして彼を擁するトランプ陣営は、習近平国家主席と連携して、双方の利益を上げるべく連携しています。米国は習近平体制を保証し、保護する代わりに、中国から経済的な利益を得、かつ長期的に米国の覇権を脅かさないよう、くぎを刺すために、あえて「冷戦」を行おうとしています。

しかし、トランプ陣営の要求が中国の主権を脅かすことに脅威を覚えた中国が反発し、予想以上に関係が悪化し、関税をはじめとする貿易戦争が中国経済を圧迫しました。それだけでなく、トランプ政権のやり方を苦々しく思う勢力がトランプ政権に反発を強め、様々な形でトランプの足を引っ張るようになりました。ウクライナ疑惑の内部告発もその一環と見られます。

中国でも習近平政権による締め付けをよく思わない反対勢力がいます。上海系の江沢民派で、彼らは米国のネオコンやユダヤ系金融資本と手を組んで、反習近平、反トランプで連携しました。表向きは米中の通商摩擦に見えますが、トランプ・習近平の間では本気の喧嘩ではなかったはずです。

ところが、反体制派がこれに加わったことで、より摩擦が激化し、双方への影響が大きくなりました。そこで、トランプ陣営からはキッシンジャー氏が自ら中国に飛び、そこにロスチャイルド・グループなど反トランプ派の国際金融資本代表なども加わり、何らかの「手打ち式」がなされたとの情報があります。それには相応の理由があります。

中国を殺してはいけない

まず、米国側からすれば、トランプ陣営も反トランプ派も、中国経済から美味しいところをむしり取るのが狙いで、中国を叩きすぎて殺してしまっては元も子もありません。豚は肥やしていただくもので、殺すわけにはいきません。しかし、このまま関税なとで締め上げれば、中国経済はやせ細り、美味しくいただけなくなります。

もちろん、米国も返り血を浴びていて、中国向けの農産物輸出が大幅に減り、米国農業は相場の下落、輸出の減少のダブル・パンチで破産が増え、トランプ政権への批判も強まっていました。個別農業補助では済まないところまで農業の疲弊が進んでいたのは確かです。もちろん、これを放置すれば、農業票は逃げてゆきます。今回の合意が実行されれば、米国農業にはビッグ・プレゼントとなります。

反トランプ勢力の事情

一方、ユダヤ系国際金融資本などは、これまで構築してきたグローバル・ビジネス・システムをトランプ大統領が片っ端からぶち壊し、さらに中東をユダヤの支配下に置きたいイスラエルなどユダヤ系の勢力は、米国が中東から撤退し、代わってロシアやイラン、トルコが影響力を増す事態は放置できず、何としてもトランプ大統領を引きずり降ろそうとしました。

しかし、その国際金融資本も足元から基盤が崩れかかっています。基幹金融機関の一つ、ドイツ銀行やJPモルガンが――

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image by:Evan El-Amin / Shutterstock.com

マンさんの経済あらかると』(2019年12月16日号)より一部抜粋

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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