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「50代の無職男性」は危険人物? 自殺者とホームレスの統計から見えた日本の地獄=鈴木傾城

「堕ちないための金」を積み立てておくということ

50代と言えば、まだ死ぬ年代でもない。死ぬどころか平均寿命から見るとまだ30年も残っている。

したがって、50代を過ぎても生きるためには、肉体労働ではなく、マネージメントやその他、体力を消耗しないで生きていける何らかの仕事に就けるようにしなければならない。

それがなかなか難しいのが低学歴の人たちだ。肉体労働がキツくなると分かっていても上に這い上がれる人は多くない。

本人の能力が低いからではない。企業は高学歴の人間をマネージメント職につけて、低学歴層を現場につけるからだ。社会はそのようになってしまっているのである。

それであれば、50代に向けて堕ちないように「準備」をしておかなければならない。準備とは要するに「堕ちないためのカネ」を積み立てておくということだ。しかし、日雇いのような仕事が続くと、その「積み立てる」ということ自体が難しい。

積み立てるどころか、多重債務に堕ちていくのも実はこういった人たちが多い。借金慣れしていくと、やがてその借金が返せなくなって一気に多重債務者になる。多重債務に堕ちると、もう這い上がるのは難しい。

だから、少なからずの人たちが自殺し、少なからずの人たちが貧困ギリギリの生活になり、少なからずの人たちはさらに堕ちてホームレスとなる。

資本主義はカネがすべての世の中だ。それは自由な世の中の、唯一の絶対ルールと言ってもいい。底辺に堕ちれば堕ちるほど、そのルールはより非情なレベルになって弱者に襲いかかっていく。

カネがなければ、世の中に食べ物が満ち溢れていても、自分だけは飢えて死ぬ。食べ物が大量に余っても金のない人間に配るのではなく、破棄するのが資本主義である。自国に餓死しそうな人がいても関係ない。カネがなければ飢えている人がいても破棄するだけだ。

「55歳以上が全体の7割以上を占める」ということ

国が発展している時代であれば、仕事がいくらでもあるので、こういった人たちも救済されることがある。高度成長期はどんな人であっても仕事に恵まれた。

しかし、経済大国としてのピークを過ぎて経済が縮小していく時代に入ると、普通の人であっても運が悪ければホームレスに転がり落ちていくこともある。

日本もそうだが、経済大国としてのピークを過ぎた国は、社会保障費の増大に苦しんで財政不足に陥る。そのため、社会的な弱者に落ちてしまった人は救済されるのではなく逆に突き落とされる。

バブル崩壊後は経済政策の失策で立ち直ることもできず、少子高齢化も放置されてきた日本は、いよいよ敗者が見捨てられる段階にきた。最初は確かに肉体労働に就いてきた人たちが50代を過ぎて働けなくなって転がり落ちる傾向が続く。

しかし、ブルーカラーだけが地獄に落ちるのではなく、その次にはホワイトカラーの地獄が待っているのである。

内需が減退して売上が上がらなくなり、それでいてグローバル化によって競争が激しくなり、さらに雇用を削減するイノベーションが進むことによって、企業はホワイトカラーを大量に削減するようになるからだ。

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