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オービックの2019年3Q決算は増収増益見込み。システム大手各社の業績好調な背景とは?=柴山政行

システム大手各社の業績が拡大していると報じられていました。オービックの2019年4月~12月期の連結営業利益は前年同期比14%アップで過去最高の見込みです。(『時事問題で楽しくマスター!使える会計知識』柴山政行)

オービックは営利で前年比14%アップとシステム大手が業績拡大

ほかにNTTデータ、野村総研なども軒並み最高益を更新へ

2020年1月16日の日経朝刊17面で、システム大手各社の業績が拡大している、と報じられていました。
※参考:システム大手、最高益相次ぐ オービックなど IT投資追い風‐日本経済新聞(2020年1月16日公開)

オービックの2019年4月~12月期の連結営業利益が前年同期比14%アップの325億円程度と、過去最高になる見込みです。

同業他社のNTTデータ、野村総研、トレンド、SCSK、ユニシス、富士ソフトなども軒並み最高益を更新するとして、同紙面に一覧表形式で表示されていました。

話をオービックに戻しますと、連結売上高は9%アップの600億円程度とみられるそうです。

本メルマガ配信時(1月18日)では、まだオービックの第3四半期(2019年12月)決算が発表されていませんが、日経新聞の報道通りの業績が近日明らかになるならば、同社の経営環境に強い追い風が吹いていることがわかります。

参考までに、わかっている範囲での最近の業績を確認してみましょう。

売上高*40,059百万円(10.8%)
営業利益21,656百万円(16.4%)
経常利益23,779百万円(15.2%)
最終利益19,147百万円(21.6%)
※2020年4月~9月(第2四半期)の業績(カッコ内は前年同期比)

いずれの損益項目も10%以上の伸び率を示しています。非常に業績好調である様子が伺えます。このときの年度末(2020年3月期)における業績予想はつぎのとおりです。

売上高*80,000百万円(7.9%)
営業利益41,000百万円(8.1%)
経常利益45,100百万円(7.6%)
最終利益32,300百万円(0.2%)

さて、ここで少し視点を変えて、2018年12月(第3四半期)から2019年3月(年度末)までの業績の推移を見てみましょう。

<2018年12月→2019年3月(予想)→2019年3月(実績)>

売上高*55,241百万円→(予)71,000→(実)74,163
営業利益28,515百万円→(予)35,000→(実)37,939
経常利益31,844百万円→(予)38,300→(実)41,927
最終利益24,939百万円→(予)27,400→(実)32,223

さらに一年さかのぼって、同じように第3四半期の予想から年度末の実績までの推移を見てみます。

<2017年12月→2018年3月(予想)→2018年3月(実績)>

売上高*50,154百万円→(予)65,000→(実)66,814
営業利益24,587百万円→(予)30,000→(実)32,325
経常利益26,873百万円→(予)33,600→(実)35,570
最終利益20,026百万円→(予)24,000→(実)26,268

過去2年間のオービックの傾向として、第3四半期の予想よりも実際の年度末決算は20億円~50億円くらい増加していることがわかります。予想よりも実績が上回り続けていますね。これは何を意味するか。

オービックの業績予測の傾向は「慎重に発表する」です。この傾向が今年も続くと仮定するならば、2020年3月期の実績は、現時点の予想よりもさらに数十億円アップする可能性がありますね(実際の結果を保証するものではないので、ご了承ください)。

このような好調な業績を支えるのは、業界全体の上昇トレンドといえそうです。

オービックが主戦場とするERP(統合基幹業務システム)のマーケットが非常に好調です。

Next: RPAをはじめ、旺盛なIT投資需要の増加でさらなるIT人材不足へ

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