「2040年問題」と日本の医療現場
新型ウイルス流行のような緊急事態でなくとも、日本には「2040年問題」という喫緊の課題が存在します。2040年頃に日本の高齢者人口(65歳以上)がピークになると推定されており、2017年には1人の高齢者を2.1人の現役世代で支えていたのが、2040年には1.5人で支える見込みとなっています。
参考:経済産業省「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」(2018年9月)
これから日本が直面するのは、1) 高齢化による医療費の高騰、2)医療従事者の人手不足という深刻な課題であり、医療現場の生産性向上がとりわけ重要になってきます。具体的に見ていきましょう。
厚生労働省の試算によると、日本の医療費は高齢化を背景に、2018年の39.2兆円(GDP比 7.0%)が、2040年には 68.3~70.1兆円(GDP比 8.6~8.9%)と約1.7~1.8倍増加する見込みです。
一方、医療分野における就業者数は、2018年の309万人から2040年の328~334万人まで、約1.06~1.08倍までしか増加しないと試算されています。今後日本の就業者数全体の減少によって、あらゆる産業で労働力の制約がますます強くなってきますが、特に医療現場ではその傾向が顕著になってきます。
参考:厚生労働省 「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(2018年5月)
しかしながら、現状においても医療現場は圧迫されており、1週間の労働時間が60時間を超える医師の割合は41.8%と、全職種で最も高い割合となっています。今後少ないリソースでより効率的に診療をしていくためには、現在の医療プロセスを見直すことが必要不可欠であり、その1つの解決策としてオンライン医療の普及が挙げられます。
参考:厚生労働省「医師の勤務実態等について」(2017年8月)
日本ではまだオンライン診療に対して馴染みがないため、まず中国におけるオンライン診療ビジネスのあり方を紹介し、今の日本がオンライン診療を行うにあたってどのような課題を抱えているかを説明していきます。冒頭で触れた日本が越えるべき3つの課題についてに答えておきましょう。
A. 日本でオンライン診療サービスが普及するには、以下3つの課題をクリアする必要があります。
1)オンライン診療に対する保険適用の範囲拡大
2)医療プロセス全体のデジタル化
3)通信環境の整備
この記事は、医療系ビジネスに興味のある方、オンライン診療サービスに興味のある方に最適な内容になっています。
中国No.1オンライン診療企業 Ping An Good Doctor (PAGD)とは
最大の収益源はオンライン診療ではなく「●●」
PAGDのようなサービスを実現するための3つの課題
まとめ
※これらの項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ初月無料購読!
<初月無料購読ですぐ読める! 3月配信済みバックナンバー>
※2020年3月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- Q. 新型ウイルス対策で活躍中のオンライン診療、日本で普及するための3つの壁とは?(3/3)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年3月3日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込1,001円)。
- Q. 売上100倍の時価総額!AI Inside上場後のAIビジネスの勝因とは?(2/27)
- Q. BASEのショップあたりの取扱高はShopifyの何倍か?(2/25)
- 手数料無料化発表のSBI証券、野村證券・ロビンフッドとの比較から見える次の収益源は?(2/20)
- ECビジネスの決算の読み方〜Shopifyを例に(2/18)
- Q. SaaS企業のIPO時点での累計調達額と売上の比率は?(2/14)
- Q. これから音声コンテンツに注目すべき3つの理由とは?(2/12)
- Q. セブンイレブンで最も利用されているキャッシュレス決済手段は?(2/10)
- Q. Netflixが広告モデルを採Netflix用しない3つの理由(2/7)
- あらゆる「交渉」で絶対に負けないたった1つのコツ(2/5)
- 【保存版】マーケットプレイス型ビジネスのテイクレート一覧(2/3)
- Q. 上場発表のマットレスD2C Casperに学ぶD2Cビジネスの5つのポイントとは?(1/30)
- Q. ゲーム実況中継で最も伸びているサービスは?(1/28)
- Q. ラクスルのTV CMサービスが伸びる3つの理由とは?(1/23)
- Q. Googleの小売戦略はAmazon Goと何が違うのか?(1/21)
- ブラック企業とスタートアップを見分けるためのたった2つの質問(1/16)
- 2020年の景気を勝手に予想してみた。(1/14)
- Q.Alibabaの香港上場から見る、3つの狙いと次の主戦場は?(1/9)
- 2019年に使いはじめて「これがない世界に後戻りできない」と思えたサービス3選(1/7)
- 【2019年】買ってよかったものトップ5を紹介します(1/3)
- 2019年に「決算が読めるようになるノート」が進化したお話【メンバーを絶賛採用中!】(1/2)
- 【2019年】シバタの株式投資実績を一挙大公開(1/1)
- Q. 新規IPOのスペースマーケットや会議室レンタルTKPのテイククレートは?(12/31)
- Q. 上場したばかりのランサーズとクラウドワークスの1クライアントあたりの年間発注単価の差はどのくらい?(12/26)
- 「スタートアップ投資減税」が素晴らしいと思った件(12/24)
- Q. mixiと中国bilibiliに見る、SNS・ゲームの次の巨大ビジネスとは?(12/19)
- 【要登録】YouTubeチャンネル始めました(12/17)
- Q. Airbnbに関して知っておくべき7つのKPIとは?(12/12)
- YouTuberマネジメントのUUUMが急成長する理由と脱プラットフォーム戦略(12/10)
- Q. 先日上場したChatwork、課金ユーザーあたりの売上はSlackの何分の一?(12/5)
- Q. 先日上場したChatwork、課金ユーザーあたりの売上はSlackの何分の一?(12/3)
『決算が読めるようになるノート』 2020年3月3日号『Q. 新型ウイルス対策で活躍中のオンライン診療、日本で普及するための3つの壁とは?』より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
決算が読めるようになるノート
[1,001円(税込) 週2回程度]
アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方にも役立つ内容です。