コロナ騒動前から米国大企業のCEOが大量に辞めている?
たとえば、今年2020年1月に、アメリカの大企業の最高経営責任者(CEO)が219人も辞任していたことが報じられています。これはアメリカの歴史上で、1ヵ月でのCEOの辞任の数としては過去最大です。
<2008年から2020年1月までのCEOの辞任数の推移>
この2020年1月には、すでに、中国で新型コロナウイルスの感染拡大の報道も出ていた時期であり、この時に自主的に辞任するCEOが極端に増加しても、それに関しては理解できる部分はあります。
ところが昨年、つまり2019年の時点で、アメリカのCEOの辞職の数は大幅に増加し続けていました。以下のグラフのように、2019年のアメリカのCEOの辞任の数は、過去最大の1,480人に達しました。
<2002年から2019年までの年間の米国CEOの辞職数>

出典:ccn.com
これについては、経済も株式市場もどちらも活況を呈している中では、一般的にCEOが辞任する事例は少ないために、公的には2019年は「アメリカは、最高の経済と最も高い株式相場を示していた」年であるために、アナリストたちは、あまりにも多くのCEOたちが辞任する理由に注目していました。
株式市場が活況のうちにCEOたちは株を売りさばいていた
さらに、アメリカの最高経営責任者や最高財務責任者(CFO)など企業関係者たちは、「2019年に、260億ドル(2兆8,000億円)相当の株式を売却していた」ことが、アメリカのフィナンシャル・タイムズによって報じられました。
要するに、2019年は「株式市場は活況」と喧伝されている中で、CEOなどの企業関係者たちは、必死に株式を売りさばいていたことになるのです。
その額は、ITバブルだった2000年以来の額で、21世紀になってからは、最高額となっていました。
また、ウォールストリートジャーナルは、アマゾンを含むアメリカのトップ企業のCEOと役員たちは、今年2月初めから3月中旬までの、つまり「株式市場が完全に壊れる前」までに、「92億円(約1兆円)の株式を売却した」と伝えています。