放置すれば格差は拡大する
すると「やる子はやる」一方で、「やらない子はやらない」わけで、その差はどんどん拡大していきます。
さらに、休校が続きフォローもない、友達ともなかなか会えないとすれば、他人の努力量は目に見えないわけですから、自分の勉強が進んでいるのか遅れているのか、あるいは平均レベルの理解が得られているのかどうかすらわかりません。
受験を控えていない家庭では特に危機感も持てないでしょうから、ゲームやテレビばかりに興じ、登校してみたら圧倒的な差が付いているかもしれない。
私の周囲でも、「ゲームばかりしている」「夜更かしして朝が起きられないなど生活リズムが崩れている」という親の嘆きの声が聞こえています。
夏休みを削減してキャッチアップに充てようという動きもあるようですが、もしその学年で習得すべき内容をスキップして進級することになれば、次の学年に上がったら「勉強がわからない」ということになります。
すると、「だから面白くない」「だからますます勉強嫌いになる」という負のスパイラルに陥る危険性があります。
特に算数・数学など積み上げ型の教科は、前の学年で習ったことをベースにして難易度の高い内容になっていきますから、途中でつまづくとそこから全く理解できなくなってしまいます。
それは結果的に進学の選択肢を狭めてしまうことにもつながります。
本来、格差をつくらない義務教育のはずが、これではますます格差を助長します。つまり学校が格差を広げる温床になりかねないのです。
親の情報格差が子の教育格差を生む
私自身は、親は受験システムの手先になってはいけない、家庭は学校では鍛えられない能力を養うところだ、親は学力や偏差値とは違うモノサシを持つ必要がある、というのが持論ではあります。ですが、学校が放置プレイなのに親も放置していては、それこそコロナ世代まっしぐら。
そこで教育格差を広げないために、私の周りの保護者がやっている習慣付けと、私自身の考えをご紹介します。
まず、もし自宅にネット環境がなければこれを機会に導入する。ネットにつながるかどうかは情報アクセスに圧倒的な差を生みますから、これは必要な教育投資・情報投資です。
そして、保護者がコンテンツを探して子どもに提案してみる。子の年齢にもよりますが、親の情報格差がそのまま子の教育格差につながりかねませんから、親が率先して探す必要があります。