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技術力トップでも勝てぬ日本企業は「ファーウェイを通じた情報流出」に全力で抗うべき=鈴木傾城

知的財産が盗まれやすい環境

日本にはスパイ防止法がない。そのため産業スパイがうようよしており、機密情報はさまざまな方法で盗まれていく。

これに対して、日本企業は有効な対策が取れていない。そもそも、「盗まれる」ということに対して危機感を持っていない。

日本人も日本企業もいまだに性善説で動いており、相手を無防備に信じている。さらに経営者の多くはハイテクの知識があまり十分ではなく、それにプラスして中国・韓国・北朝鮮に甘い。

人を信じるというのは、とても美しい性格だが、世界を相手にしたビジネスの現場で、その「人を素直に信じる」という性格が災いになって機密情報がどんどん盗まれてしまっているのだ。

本来であれば、こういった危機的状況に対して、マスコミが大きなキャンペーンを張って「機密情報を守り抜け」と啓蒙すべきだ。

しかし、マスコミがそんなキャンペーンを張ることは一切ない。まるで日本企業には、盗まれているということに気付かせないように振る舞っているかのようだ。なぜこのようなことになるのかというと、マスコミ自体が工作員の「巣」になっているからだ。

日本は、知的財産が盗まれやすい環境になっている。だから、日本企業の情報は筒抜けになる。知的財産を収奪する役目を担った工作員を見抜けず、懐柔され、おだてられ、性接待され、大切な機密情報や技術が盗まれ続ける。

全世界から徹底した知的財産の窃盗をしている中国は、アメリカから締め出されようとしている今、持てる力のすべてを使って徹底的に日本企業の機密情報・技術・ノウハウを盗みにやってくる。

しかし、日本もこれ以上、無防備で危険な状態を放置しておくわけにはいかない。知的財産をパクられ、徹底的に盗まれ続けた結果、日本全体が疲弊してしまっているからだ。

敵を敵と認識できない日本人の甘さ

日本企業の少なからずは、今も技術力でトップに立っている。それなのに、諸外国のパクリ企業にやられているというのは、端的に言えばせっかくの技術がザルのように漏洩して止められない側面もあるからだ。

敵国のライバル企業が盗みに来ているのに、日本政府も日本企業も経営者も何ら有効的な対策を取っていない。

ライバルを叩きつぶすどころか、ライバルを利するような間の抜けた経営ばかりしている。敵を敵と認識できない日本人特有の甘さが技術漏洩につながって、日本企業の苦境となっている。

日本企業はいまだに技術やノウハウについては世界でも最高峰のものがあるのに、経済的には追い込まれている。その要因には「無防備なまでに盗まれ続けているからだ」という切実な問題もあることに気付かなければならない。

逆に言えば、ありとあらゆる方策で「盗まれない」ことを徹底するようになれば、それだけで日本企業はまた復活していく。

Next: 右から左へと漏れていたものを塞ぎ、日本人が必死に作り出した技術を死守――

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