サラリーマンが個人事業を始めるメリット
ところで、サラリーマンも個人事業主も、どちらも自分の時間を使う仕事ですから、当然、バッティングします。特に自分のスタイルが確立するまでの間は、忙しくなるのもやむを得ないでしょう。
個人事業主が、必ずしも最終ゴールとは限りません。あくまでも「次のステージへ行くための1ステップ」くらいに考えていただければと思います。
ゴールをどこにするのかは、人によって違いますし、1度決めたゴールも、途中で変えて構いません。ビジネスの世界では、やってみなければわからないことだらけですから、1つのことに固執しないほうがいい場合も多々あります。
サラリーマンの方が、個人事業を始めることで、
・個人事業が軌道に乗れば、独立も視野に入る
・経営感覚が身につき、ビジネスオーナーへの移行も可能
・収入が増えたら、それを原資に投資家も兼業できる
・そのまま「サラリーマン+副業」を継続するのもあり
このように、いろいろな可能性が広がります。
これからの世の中は、収入源を1つの職業に頼ることは危険です。いくつかの収入源を組み合わせることで、長期的に安定した収入を得ることが可能となります。そのための有力な選択肢となるのが個人事業主なのです。
自分で顧客を見つけるのは難しい
この記事の前半でクラウドソーシングの話をしましたが、多くの人がクラウドソーシングに登録する理由は、自分で顧客を見つけられないからです。そもそも、自分の顧客がいないからこそ、サラリーマンとなって会社の製品をつくったり、販売したりしているわけです。
自分でビジネスを始めるに当たって、必ず必要となるのが「商品」と「顧客」です。多くの人は、「何を売ろう?」とは考えても「自分の顧客になってくれる人は誰だろう?」とは考えません。
個人事業主となる際に、自分の顧客を見つけることが、必須の条件となります。ですから、“顧客の再定義”が必要です。
ほとんどの人は、このことを知らないために、クラウドソーシングに登録して、来るアテのない顧客をひたすら待ち続けたり、ギグワーカーとなって「会社→ウーバーイーツなどの請負先」になったりするのが関の山なのです。
たとえ今、「私には顧客なんていません」という人も、悲観することはありません。たいていは「まだ探していないだけ」のこと。実は、あなたがサラリーマンであるならば、すでに顧客はいます。それは会社です。会社はお金を払って、あなたの技術を買っているのですから。
顧客を再定義すれば買い手が見つかる
顧客の再定義とは、どのようなことをいうのか、具体例を挙げてみましょう。
私が主催する副業オンラインアカデミーの会員の中に、長年、保育士をしている方がいます。その方は最初、自分でも子どもを預かる施設を運営することを考えましたが、規制が多くて断念せざるを得ませんでした。
私はその保育士をしている方に、顧客の再定義を勧めました。視線を「子ども」から「お母さん」に向けることを提案したのです。これが、顧客を再定義するということです。
視線が子どもに向いている限りは、どうしても「子どもをお世話する仕事、方法」を考えてしまい、思考が固定化しがちです。しかし、その視線をお母さんに向けることで、新たなビジネスチャンスが見えてきます。
現在は核家族化が進み、在宅勤務も当たり前の世の中になりつつあります。そのため、ますますお母さんが子どもの悩みを相談できる場所がなくなっています。視点を変えることで、「インターネットで在宅のお母さん向けに情報発信をすれば、新たな顧客が開拓できるのではないか?」という、別の発想が生まれてくるわけです。