「副業=小遣い稼ぎ」という考え方を捨てる
私がオススメする副業スタイルは、「個人事業主」の一択です。
理由はいくつもあります。たとえば「お金が欲しいから」と、アルバイトやギグワークに申し込めば、すぐにでも働けて、それに対する対価ももらえるでしょう。
でもこれでは、サラリーマンといったい何が違うのでしょうか? ただ単に、「自分の空き時間に仕事が入れられるから便利だ」というだけのことではないでしょうか。
こうした仕事の単価が総じて安いのは、仕事内容も時間単価も、すでに決まっているからです。
要は、誰かがお膳立てしてくれた仕事ですから、当然、“中抜き”されています。もちろん、どんな仕事も「サービスを維持する」という目的においては、非常に重要な役割を果たしています。
しかし「他人との差別化」を基準に考えた場合、マニュアル仕事では難しいのが実情です。
実働を売りにするサラリーマンや個人事業主が収入を上げようと思ったら、行き着く道は2つしかありません。
それは、「時間単価を上げること」か「労働時間を増やすこと」です。
そうでなくても、サラリーマンとして多くの時間を割いているのですから、副業では、最初から「時間単価」にこだわりましょう。そのために、自分の手取り収入を提供時間で割り算し、サラリーマンとしての時間単価を把握しておきましょう。サラリーマンの時給を超える可能性がない副業は避けることが重要です。
最初はサブの「副業」から始めますが、将来的にはマルチの「複業」を持ち、本業をいくつか持てる状態にすることが理想です。
「自分のものを売るか?」「他人のものを売るか?」
次に、「何を副業とするか?」を考える際のヒントをお伝えします。
これには、以下の2つのアプローチがあります。
1)今あなたが持っているスキルを換金する
2)他人のスキルを換金する
(1)の課題は、「顧客を誰にするか?」です。自分のスキルを副業で売りにしようとする場合に気を付けなくてはならないのは、サラリーマンの仕事への支障です。サラリーマンが副業する際の地雷の1つである「競業禁止」に触れてしまう可能性が高まります。要は、会社の顧客になり得る見込みを自分の名前で取ってしまうこと、です。サラリーマンとして身につけたスキルは、社員として「現役」であるがゆえに、地雷となりやすいのです。
そして(2)の課題は、知識や経験の欠如です。この「他人のスキルを換金する」というのは、平たく言えば、セールス・マーケティング活動です。しかし、実際は個人事業のための営業スキルは、後天的な努力で十分に身に付けることができますし、なんと言っても売り物が他人帰属のビジネスですから、目立ちにくいというのも副業向きです。
職人気質の方にありがちなのが、「良いものであれば売れる」という考え方です。しかし、「いくら良いものでも、知らなければ売れない」というのが現実ではないでしょうか。
そう言った意味でも、個人事業のためのセールス・マーケティングについて学ぶのは、自分のスキルを広げるためにも、他人のスキルでも広げるためにも、これからの時代では、共に必須の技術です。