fbpx

ホテル業界「完全終了」へのカウントダウン。稼働30%割れ 買い手消滅で窮地=澤田聖陽

苦境に立つ不動産オーナー

ちなみに借り上げ賃料は、永久にどんなことがあってもその賃料を払い続けるというものでもなく(仮にそんな約束をしたとしても払えないものは払えないので)、今のように極端に状況が悪くなれば当然、オペレーターから不動産オーナーに賃料の減免、支払い猶予等の依頼がきます。

おそらくコロナショック後、オペレーターからそのような依頼が相次いでいると思います。

不動産オーナー側も代わりに賃料を保証してくれるオペレーターが見つかる状況でもないので、飲まざるを得ません。

しかしながら、不動産オーナー側も自己資金で不動産を買っているというオーナーは比較的少なく、当然、銀行借り入れを行って買っています。

オペレーターからの賃料が減少したり、止まってしまったりすると、銀行借り入れの返済ができないということになってしまいます。

銀行もずっとは待ってくれない

銀行は今の状況でトリガーを引くのは社会的な批判を招きかねないので、不動産オーナーの返済が遅れたからといって、すぐに強硬なことはしないでしょう。

数か月の期間でコロナの影響が終息して、通常の稼働率に戻ったうえで、オペレーターからの賃料収入が元の水準に戻ればよいのですが、これが年単位になりますと銀行側もずっと待てるのかという問題が出てきます(銀行自体の決算にも響いてきますので)。

タイムリミットが迫っている

ホテルの状況は4月、5月に比べると少し改善はしていますが、今のところコロナ前の稼働水準に戻る兆しはまったくありません。

今後ワクチンが開発されるでしょうから、ワクチンが普及した後は国内需要やインバウンドも徐々に回復してきて、どこかでは元の稼働水準に戻るのかもしれません。

問題はそこまでオペレーターや不動産オーナーが持つのかという点です。銀行もいつまでも返済猶予というわけにもいかないでしょう。

Next: ホテルの売却案件が続々。今までの4割の価格でも売れない現状

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー