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菅総理の携帯値下げ、大手3社は表で泣き裏で笑う?ドコモ以外は安泰のワケ=栫井駿介

ドコモには難ありか

直近のニュースで出ました銀行からドコモ口座に見に覚えのない現金が引き出されるという被害が出ています。ドコモのセキュリティが甘かったということが非常に問題になっています。

このようにドコモは携帯事業はともかく、その周辺事業に手を出そうとするとことごとく失敗しています。

かつてはインドの携帯会社を買おうとして大失敗に終わってしまいましたし、らでぃっしゅぼーやなどへの出資も、あまり実を結ばないで結局、売却して撤退というような動きが続いています。

このように周辺事業が本当に下手くそです。その能力がある人があまりいないのではないかと思います。

出典:マネックス証券

出典:マネックス証券

それが業績にも現れていまして、KDDI、ソフトバンクは売り上げ利益とも伸ばしていって、直近でも最高益を出していますが、ドコモに関しては売上はほぼ横ばいですし、利益も最近では少し増えましたが、また直近で大きく減らすというような動きとなっています。

それに対して、PER等は必ずしも割安ではないというところがあります。

またこの10年のチャートを見ましても、ドコモは10年で株価は2倍にしかなっていませんが、KDDIは4、5倍になっています。ここから見てもドコモは市場としては成長する可能性があると思いますが、ただその能力が十分にないのではないかと考えられるわけです。

そのことから私は携帯会社は今割安だと思っていますし、仮に菅さんの圧力があっても十分にのらりくらりとやっていくのではないかと思っています。配当も高く、すぐに株価は上がらないかもしれませんが、上がらないうちは配当を受け続けて、やがて来る5GとかIoTの時代が来た時に業績が上がれば、その時には株価も上がっていくのだと思います。

したがって、今が1つの買いのタイミングであると思いますし、ただ買うとしても、前述の通りドコモをあえて選ぶ必要はないのではないかとも思います。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)

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image by:Koshiro K / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2020年9月14日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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