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「また紛失か」「MOが現役だと?」りそな銀行の顧客情報紛失にダブルで呆れる声

りそな銀行が1万4,561人分の顧客情報が入ったディスクを紛失したことが14日に判明し、陳謝する事態となっている。

報道によると、紛失したのは預金者1万4,561人の氏名や住所が記録された光磁気ディスク1枚。このデータは、ダイレクトメールの発送に利用されていたといい、委託業者から返却された後に所在が分からなくなったとのこと。

当行によると、口座番号や電話番号などの情報は記録されておらず、外部に流出した可能性は極めて低いとのことで、「誠に申し訳なく深くおわび申し上げる」と陳謝している。

今年も頻発する銀行の顧客情報紛失

この手の不祥事が起きると、謝罪の弁とともに「再発防止に努める」といったコメントが出されるのが毎度のこと。しかしそんな決意もむなしく、顧客情報紛失の不手際は減ることなく繰り返されているのが実際のところである。

近々に起こった事案に限っても、今年5月には三井住友銀行が約7万件の顧客情報を紛失したと発表。事務機器の保守などを担当していた委託先が、機器の入れ替え時にディスクの初期化をせずに持ち出し、そのまま失くしてしまったという。

さらに同年7月には、みずほ総合研究所とみずほ銀行が約250万7.000件の顧客情報を記録した磁気テープを紛失したと発表。サーバーに内蔵されたまま廃棄してしまったとのことで、ともに細断処分されたため外部流出の可能性は低いとしたが、それにしても「うっかり」レベルのミスがあまりに多い。ネット上では呆れる声とともに、「もう銀行は信用できない」との意見も多くあがっている。

りそな銀行ではMOディスクがいまだに現役

このように銀行業界への厳しい声が相次ぐなか、一部の間で盛り上がっているのが、今回紛失したという光磁気ディスク、いわゆるMOディスクの存在だ。

若い世代の方は全くご存じないと思うが、MOとは1990年代から2000年代にかけて利用されていた記録媒体のひとつだ。着脱可能で同じディスクに何度も書き換えが可能なため、データのやり取り(その頃は主に手渡しだが)が容易。さらに一般的な3.5インチタイプのメディアだと、最高で2.3GBの容量を持つものも存在するなど、その当時としてはかなり大容量のデータが収容できたとあって、主にビジネスシーンなどで重宝がられた。

CD-Rが安価に出回るようになり、さらにフラッシュメモリの大容量・低価格化によって、相当前の段階でその存在感はすっかり薄れてしまい、現在では使用する人はほとんどいないと思われていたMO。それがまだ現役で活用されていることが図らずも判明し、それについてもある意味で呆れるといった声が飛び出す結果に。ただ一方で、「衰退した技術で保管するのも有効というセキュリティの観点もある」といった指摘もあった。

ただでさえ最近は、ドコモ口座による銀行預金の不正出金が大きな問題となるなど、銀行への信頼が大いに揺らいでいる最中。顧客情報の管理に関しては、いつも以上に気を引き締めてあたって欲しいものである。

Next: 意外とそっちのほうがセキュリティは高いかも

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