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日本による情報工作の勝利?韓国の反日と「WTO乗っ取り」失敗の真相=勝又壽良

日本を黒幕視する敗北感

『朝鮮日報』(10月28日付)は、「文大統領が兪明希氏にテコ入れしていたのにEU27カ国はナイジェリア人候補支持」と題する記事を掲載した。その記事を次のように要約した。

1)WTO事務局長選挙終盤に、日本が韓国に対する「ネガティブ・キャンペーン(落選運動)」に乗り出し、形勢が不利になった。外交関係者の間では「政府が韓日関係を管理さえしていれば、このような状況にはならなかっただろう」という声が上がっている。

2)オコンジョイウェアラ氏は親中性向を持っており、日本も好ましくは思っていない。それでも日本が兪明希氏に背を向けたのは、韓日関係と無関係ではない。韓国人がWTO事務局長を務めれば、輸出規制など韓国との貿易紛争で不利になるとの懸念が日本政府内に広がっている。

3)中国に続き日本までオコンジョイウェアラ氏を支持しているため、東欧側も全員一致が難しい候補(兪明希氏)にこれ以上こだわれなくなってきた。このため、兪明希氏が落選した場合、しばらく小康状態だった韓国政府の対日強硬路線が復活するだろう。

私のコメントを付け加えたい。

1)日本が韓国に対する「ネガティブ・キャンペーン」に乗り出し、形勢が不利になったという。これは、事実に反している。韓国政府が、国内的にWTO事務局長失敗の責任を日本に押し付ける算段である。選挙の前からWTO事務局長は、「アフリカ人の女性」がコンセンサスであった。EUもその線でまとまったのだ。アフリカとEUの基礎票でオコンジョイウェアラ氏は当選確実であった。日本は、この勢いを加速させた程度であろう。

日韓関係が正常化していれば、別の展開になったと見られる。ただ、世界のコンセンサスを無視する行動は不可能である。日韓が、隣国同士でこれほど憎しみ合っている。どこで、ボタンを掛け違えたか。文氏の意図的な反日が原点である。

2)韓国は、日本を「天敵」と見ている。理由の如何を問わず、日本に楯突き困らせる。それが、「国是」のような国になっている以上、日本が韓国を警戒するのは致し方あるまい。

3)兪明希氏が落選した場合、しばらく小康状態だった韓国政府の対日強硬路線が復活するだろうという。「どうぞ、ご自由に」としか言いようがない。経済的に困るのはどちらか。中国も、韓国候補者に1票を投じていないのだ。アフリカ勢を裏で取りまとめたのは中国であろう。となれば、日中同等の役割をした計算になる。

それならば、なぜ中国に抗議しないで、日本だけにするのか。例によって、中国は怖い存在だから手控え、紳士的な日本に手を出す算段か。『朝鮮日報』は、将来の韓国の姿を想像するがいい。中国へ接近する韓国はボロボロに食い潰される。日米へ接近すれば、韓国は繁栄するはず。韓国は、統制経済と市場経済のどちらを選ぶのか。この言い古された言葉の中に、韓国の未来が掛かっているのだ。

Next: なぜ日本だけを非難?韓国が抜け出せない「反日・甘えの構造」

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