劇場版は公開から1か月で観客動員数が1,750万人に達し、興収も230億円を突破するなど、その勢いはとどまるところを知らない「鬼滅の刃」。コンビニやスーパーなどでもコラボ商品が数多く並ぶが、そんななかのひとつでバンダイから発売されている「鬼滅の刃ディフォルメシールウエハース」が、シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに捨てられていると、ネット上で話題になっている。
まさか令和の時代に昭和のような風景を見るとは思わなかった。
コンビニでバイトしてますが、鬼滅の刃のシール付きウエハース、シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに全部棄てられました。ビックリマンチョコみたいなことを…
皆さん、くれぐれも馬鹿なことはしないで下さいね! pic.twitter.com/Ax8GxEGsmJ— よっさん@現在、津田ちゃん推し‼️ (@yossan_dayo) October 27, 2020
きっかけとなったのは、とあるコンビニでアルバイトをしているという方の画像付きのツイート。画像を見ると、ゴミ袋のなかに当商品の包装がたくさん入っているが、これはシールだけ抜かれてお菓子は入ったまま廃棄されているという。「ビックリマンチョコみたいなことを…」と投稿者も嘆くほど、なんとももったいなくも残念な出来事である。
そんなビックリマンチョコといえば、鬼滅の刃とコラボした「鬼滅の刃マンチョコ」がロッテから11月3日に発売。こちらもかなりの人気となっているようで、発売から2週間が経とうとしている現段階でも、品薄状態が続いている模様だ。
コンビニ行くたびに鬼滅の刃マンチョコ探すんだけど、全然出会えない
売ってないのかなぁ〜。。。
— ☆なっちゃん☆(*δωδ*) (@natsumi0922sugi) November 15, 2020
近所のコンビニとかスーパーに寄ってもどこも鬼滅の刃マンチョコ売ってない…
— oroki (@oroki0401) November 16, 2020
鬼滅の刃マンチョコに関しては、コンビニ等のゴミ箱にお菓子が捨てられているといった報告はあまり見られないが、それは単に人気すぎて商品が店頭に並んでいないから、というのが実のところなのかもしれない。
ビックリマンブームとの類似点と相違点
1977年から発売されているビックリマンチョコだが、1985年に「悪魔VS天使シール」が封入されたことで、その人気が爆発。当時は今回のような「お菓子が捨てられる」以外にも、「大量購入行為」や「シールの金銭での取引」、さらに「偽物が出回る」などといった事象が全国各地で発生し、一種の社会問題にまでなった。
それから30年以上という月日が経ったが、同様の事象は今回も起こっている。大量購入行為に関しては、経済力のある大人による箱買いが行われ、そのことが店頭での品薄に繋がっているようだ。過去のビックリマンブームの際は、少なくとも初期の頃は子どもたちだけの関心事だったのに対し、今回の鬼滅の刃に関しては支持層の年代が幅広いことも、大量購入が多くなっている原因だろう。
鬼滅の刃マンチョコ箱買い#鬼滅の刃マンチョコ#鬼滅の刃#ビックリマンチョコ pic.twitter.com/8M2Us95ILA
— まつけん@栗花落カナヲ推し (@kanawo__kimetsu) November 11, 2020
鬼滅の刃マンチョコ1箱買いした結果!S4の伊之助以外全て揃った!!! pic.twitter.com/kuzBCXerTb
— なな (@2_ernn69) November 11, 2020
またシールの金銭での取引だが、例のフリマサイトを確認したところやはりというべきか、シールの出品が相次いでいる。相場は24種類あるシールをフルコンプリートして10万円程度で、なかには80万円以上という法外な価格で出品する者も。ネットも普及していなかったビックリマンの頃は、あくまでも友人同士といったローカルなものだったが、フリマサイトの隆盛で今や不特定多数を相手としたグローバルなやり取りとなっているわけだ。
しかも、そんな金銭を交えたやり取りが発生する動機が、以前のようにシールのフルコンプリートを目指すためにやむなくではなく、端からそういう人間がいることを見越して転売しようというのが主目的となっている分、問題はさらに深刻化しているというかタチの悪いものになっていると言える。
ちなみに「偽物が出回る」問題に関しては、今のところ特にそういう話は無い模様。ビックリマンブームの頃は、「ドッキリマンチョコ」といった商品名を似せたものや、シールの裏側にあるメーカー名がロッテならぬ「ロッチ」だったりといった、怪しげなシールが子どもたちの間で密やかに出回っていたものだが、今のご時世でそれをやるのは訴訟リスクもあり、どう考えても割に合わないということか。
「ライダーカード」を連想する方も
ビックリマンチョコの悲劇、再び……。今回の出来事に対して、30代後半から40代といったビックリマンブームの頃に子どもだった世代の人々からは、「歴史は繰り返す」といった感想が多くあがる結果に。また「チョコを回収して10円で売ってる駄菓子屋もあった」といった昔話に花を咲かせる方、さらに「鬼滅の刃とクソ商品を抱き合わせで売ったり」という、ビックリマンブームの頃にあったファミコンソフトの抱き合わせ商法を連想する方もいた。
鬼滅の刃シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに捨てられていた https://t.co/SX7COSQ1T1 子供の頃は金持ちについていけばビックリマンチョコ食べ放題だったから歴史は繰り返すんだよ。チョコを回収して10円で売ってる駄菓子屋もあった。最近だって握手券だけ取ってCD捨てる奴いただろ。
— GM.exe (@GM_exe) November 15, 2020
鬼滅の刃マンチョコが高額転売されてる横で、店でシールだけ取ってウエハースをその場でゴミ箱に捨てていく事件も増えてると。歴史は繰り返すだよな。
となると、そろそろ鬼滅の刃狩りが来ると思う。鬼滅の刃とクソ商品を抱き合わせで売ったり。
ドラクエ3くらいの時代に逆戻りだな。— ねずみ星人 (@nezumiseijin) November 16, 2020
いっぽうで、今回のことでビックリマンではなく「ライダーカード」のことを連想する方も多数。「仮面ライダースナック」が販売されていたのは1970年代前半のことなので、その手のつぶやきは恐らく50代半ば以上の方々と想像されるが、この手の問題は世代を超えて度々起こっているわけで、まさに「歴史は繰り返す」である。
鬼滅の刃シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに捨てられていた… コンビニ店員の告発画像が話題に(まいどなニュース)
これて、還暦近い親父達も同じ事していたような!
ライダースナックのおまけのライダーカード欲しさにカードだけ抜き取り、菓子は犬の餌さ#Yahooニュースhttps://t.co/RLEb8l4reM— 鳳洲 (@houshuu64) November 15, 2020
私らの子供時代のライダーカードと一緒やね。
鬼滅の刃シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに捨てられていた… コンビニ店員の告発画像が話題に(まいどなニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/gBCSNXU56w— ヒキヨワ (@tasan776) November 15, 2020
このように捉え方には微妙な違いはあるものの、世代を超えて共通していたのが「買ったチョコは食えよ」という至極真っ当な意見。
メルカスが鬼滅のビックリマン転売してるけど、1億歩譲って未開封売るのはわかるけど(転売はゆるさん)開封後のシールだけ売るやつは絶対に許さん地獄の果まで追いかけるぞ
チョコ食えチョコ! 大量に買ってシールだけ売ってチョコ捨てとるやろ絶対!偏見なんか知るかテメーらはそういう種族だろ— ラッコのY (@40Gantz) November 4, 2020
大人げないんかわからんけど鬼滅チョコを箱買いするやつ。
好きなのはよく分かるがそのお菓子ちゃんと食えよ。
廃棄するなよってことを伝えたい。
見知らぬ子どもが金貯めて訪れたコンビニの様子。もう2個しかないってさ。
そっと5個返して様子見したあの後の嬉しげなあの光景が俺は嬉しかったわ。— 道成金次郎~陽炎~ (@b_sannmaruku) November 3, 2020
アニメが子どもだけのものというのは昔の話で、今や大人も楽しむもの。とはいえ、こういうケースに接した際には、子どもも買えるように大量買いはほどほどにする、転売ヤーからモノを買わない、そして血糖値の上昇が気になろうとも買ったお菓子は食べ切る、というのが子どもの模範となる大人のふるまいではないだろうか。
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