まもなく「種苗法改正案」国会通過
ポイントを整理しますと、以下の流れになっています。
農業の自由市場化 → 外資参入 → 農業の(遺伝資源である品種という)知的財産が奪われる → ロイヤリティービジネス
この流れで、今まさに国会を通過しようとしている「種苗法」を見てみましょう。
農家が登録品種のタネを自由に自家採種し、自家増殖することを禁じる「種苗法」改正案に対し、農家の不安や憤りの声を取材したドキュメンタリー映画「タネは誰のもの」(原村政樹監督)が、オンラインで有料上映されています。
種子法廃止やTPPに対して反対運動を展開してきた、弁護士で民主党政権時代に農相を経験した山田正彦氏がプロデューサーを務めた映画です。
「種苗法」に関しては、過去に当メルマガでも書きました。
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で主演の女優・柴咲コウさんが自身の公式ツイッターで
新型コロナウイルス感染拡大の中、種苗法の改正が行われようとしている
ことに警鐘を鳴らしていました。
種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることなどが盛り込まれる方向で、ゴールデンウイーク明けから国会で審議される見通しです。
育成者の知的財産権が保護される反面、各農家による株分けや種取りなどが制限され、農業崩壊が起きる可能性も指摘されています。
そんな流れに対し、柴咲さんは
新型コロナの水面下で、「種苗法」改正が行われようとしています。自家採取禁止。このままでは日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます。これは、他人事ではありません。自分たちの食卓に直結することです…
とつづっています。
TPP前提の種子法廃止から、種苗法改定に至るまで、主要農産物(コメ・麦・大豆など)から農業全般において、外資に日本の農業そのものを“売る”プロセスが見られると思います。
反対意見は黙殺。強行採決で重要法案が決められていく
グローバル化の名の下、海外で模造品が作られることを防ぐということで、これらの法律の必要性を訴えていますが、その運用の仕方によっては、種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることが盛り込まれていることから、いかようにもできる、世界のグローバル企業は、特許権、知的財産権でお金を儲ける道具に使われるということになります。
法律制定の趣旨を論じるのはわかりますが、その運用方法に抜け道はないかをチェックすることも大事なのです。
法律制定、あるいは改正・廃止する側は、その運用方法の抜け道を知って、あるいはわざと残しているようで、そこに法律制定側の意図が込められているのを、見抜く必要があります。
それゆえ、常に法案反対者の意見に耳を傾ける姿勢が大事なのですが、その余地すら与えないように、前政権から今の与党は強行採決を連発して議論をさせなようにしているところに、闇を感じ怖さを感じ、その方向性に不審を抱くのです。
まさに、種子法廃止から種苗法改定に至るまでの流れが、人目を避けてこっそりと進めていることに注目してほしいと思います。
私たちの食卓の問題です。
TPPの時も、盛んに遺伝子組み換え食材が食卓を埋め尽くす時代になると危惧されていましたが、いままさに、日本の農業が外資に売られようとしているのです。