ネスレ日本が販売している麦芽飲料「ミロ」が、想定を大きく上回る注文が続いたことを理由に、一部商品の販売を休止されると報じられ、波紋を呼んでいる。
同社のリリースや各社の報道によると、休止されるのは主力商品である「ネスレ ミロ オリジナル240グラム」など3製品。今年夏ごろにSNSでの口コミが原因で人気が急上昇し、7~9月期の注文数は前年比171%を記録。商品供給が追いつかずに9月末で一時販売を休止していた。
しかし、このことがさらに飢餓感を煽る形となり、販売再開後の受注は数量ベースで前年同期比7倍に。販売再開からわずか半月で、今回の販売休止となった。
ミロの“代替品”を探す動きも
ミロといえば、日本では1973年に発売が開始され、「強い子のミロ」というキャッチフレーズとともにCMが多く放映されるなど、一定の年代以上なら幼少期の“憧れの飲み物”として、懐かしく思う方も多いかもしれない。
また日本だけでなく、世界30か国以上でミロは販売されており、特にマレーシアをはじめとするアジア諸国では、国民的な飲料として日常的に飲用されているとのことだ。
このように、ある意味で安定した人気を誇っていたミロだが、今回の販売休止に至るほどの人気となったのは、ミロが手軽に鉄分を補給できるとして噂になったためだ。一般的に鉄を含む食品といえばレバーをはじめ、ひじきやホウレンソウなどが挙げられるものの、意識して摂取しないと不足しがち。貧血で悩む女性は多いが、そんな層からミロはにわかに脚光を浴び、瞬く間に品薄にまでなってしまったのだ。
このような状況に対して、ブームになる前から常飲していたというファンや、子どもに飲ませていたという親御さんからは、ブーイングの嵐が。
お前らのせいでこんな事になったよ!
大迷惑だよ!
もう何年も何年も飲んでる俺にとって、ミロ無しの生活なんて考えられないよ!
「ネスレ ミロ」が販売休止 ツイッターから「ミロ活」拡大…転売屋も登場で入手困難な状態に(中日スポーツ)#Yahooニュースhttps://t.co/ZSAguKosFO— タカシ (@beachtimelong98) December 9, 2020
貧血にいいとかで爆売れしたんだっけ?大人の貧血対策も大事だけど、子どもの栄養不足対策に飲ませてた親御さんからしたらめっちゃ迷惑な話なんだろな
大人は1日分の鉄分飲んだらいいのに。(多分コスパ的にはミロがいいんだろうけど) https://t.co/UsP7GTZRnR— 華(べこ)@アイコンのお仕事募集中 (@Hana_HappyDay) December 8, 2020
さらに、今後しばらくは手に入らなそうなミロの“代替品”を探す動きも活発となっており、なかでも森永製菓「牛乳で飲むココア」あたりが、ミロとほぼ同量の鉄分ということで注目を集めているようだ。
ミロが生産中止になったので、鉄分ほぼ同量の森永「牛乳で飲むココア」と同じく森永で鉄分ほぼ同量でカルシウム2倍量の「ホネグット」がオススメです。ミロは麦芽ですが、こちらはカカオなのでポリフェノールと乳酸菌も取れて味も良いです。価格もミロとさほど変わりません。 #ミロ活 https://t.co/xGNROlZpXb pic.twitter.com/le7PaJvee9
— 紗倉ゆずる@SayuSTUDIO (@yuzuru_Sayus) December 8, 2020
「鉄分取りたきゃ、レバニラでも食ってろ」の声
日頃から飲んでいた方からすれば、まさに一大事といったミロの販売休止だが、愛飲者以外の反応はいたって冷ややかな印象。
今回の販売休止を受け、最近ネット上では「令和の闇市」とまで呼ばれる某サイトをチェックすると、やはりというべきかミロの大量出品が。市価よりもかなり高い値付けでも転売されているようで、そんないつも通りの展開に「またか」といった声が多くあがる。
また今回の騒ぎに対し、「鉄分取りたきゃ、レバニラでも食ってろ」「麦の飲料ならメッコールを飲めば…」といった突き放すような意見も。ミロといえば子どもの栄養補給飲料というイメージが大きいだけに、それを品薄に追い込んだ大人による身勝手なブームに憤りを感じている方も結構多い模様。ちなみにメッコールは、残念ながら数年前に日本での販売を終了しているようだ。
子供の為の物を大人まで買ってこうなったんだからやめて!って人と、代替品なんていくらでもあるんだからそれ飲ませとけよって人いて、メルカリ覗いたらめっちゃミロ祭りで何つーかカオスだった。
食品で取れ食品で。ランチはレバニラおやつに鉄ウエハース食っとけ笑笑 https://t.co/24E4Etve68— チー。 (@eurica_carmilla) December 8, 2020
ミロがなければ同じ大麦から作られてるメッコールを飲めばいいじゃない(ぉぃ
— Yamamaya (@yamamaya3) December 8, 2020
ミロは原料をシンガポールなどの海外から輸入しているため、昨今のコロナの影響もあってか、販売体制を再び整えるのにはかなりの時間がかかるとのこと。発売再開は来年の3月以降となる見込みで、元からの愛飲者は当分の間“ミロロス”の日々を送ることとなりそうだ。
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