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マレーシア第2の都市・ジョホールバルが「廃墟化」するこれだけの理由=午堂登紀雄

二段構えの投資戦略

そうしたリスクを回避・低減するためのひとつのアイデアは、新興国不動産投資をするときには、複数の目的が達成できるようにしておく、というものです。

私の場合、子どもの教育を一定期間、マレーシアでしたいという考えもあり、JBで不動産を購入したという理由もあります。マレーシアはイスラム圏とはいえ、他民族・他宗教国家で、多種多様な価値観に触れることができます。また、インターでは英語に加えてマレー語や中国語でも授業が行われるなど、マルチリンガル教育が基本です(スペイン語やフランス語を選択できる学校もある)。国際バカロレア(IB)認定校なら世界への進学の門戸が開かれていて、それが日本のインターの学費の半分以下(学校による)。そして、子どもが一人ならともかく3人の予定のわが家では、中高合わせて10年くらいは現地に家族で移住することになりますから、拠点としての住まいは無駄ではなかろう…(もっとも、私たち夫婦は日本での仕事がメインのため、行ったり来たりという生活になるとは思いますが)。

それに、もし人口増が予想を下回るペースが続けば、インターの定員割れで学費が抑えられる可能性もゼロではありません(インターが閉校したら元も子もありませんが)。つまり、冒頭で「当時の判断は半分間違っていたかもしれない」と書きましたが、間違ってはいなかったであろう残りの半分は、「予想通り子どもの教育に適した都市になりつつある」という点です。

もちろん子どもの個性や適性にもより、それが良い結果となるか悪い結果となるかはわかりませんが、子どもには世界レベルで戦える基盤づくりとしての機会を与えてあげたいと考えています。

というふうに、仮に不動産投資で儲からなくても、もうひとつの目的である移住・教育が達成できれば御の字である…という二段構えの戦略です。あるいは大好きな国・都市にホテルコンドのような運営形態の物件(ホテル運営会社に管理を任せ、通常はホテル運用、年に何回かはオーナーが無料で泊まれる)にする買い方も、余暇と実益を兼ねられる投資手法です。

投資目的は人それぞれですが、計画通りには必ずしもならない新興国不動産投資のリスク軽減策のひとつとして、複数の目的を設定し、どれかがダメでもどれかは達成できるようにしておくことは、一考の余地があると思います。

ちなみに私の場合、不動産投資だけでなくFXでも同様に、高金利通貨を下落時に買うという方法を取っています。仮に含み損が出て塩漬けになっても、その間はスワップポイントで稼ぎ、相場が回復すれば決済して為替差益を取るという二段構えです(現状はチャイナショックにやられて涙目ですが)。自宅屋根の太陽光発電も、20年間は全量売電、その後は自宅で使用する電源に切り替える予定です。

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