「東京に行きたくない」の深層心理
しかし、もしかしたら自分の子が「東京なんて行きたくない」という場合もあるかもしれません。その場合、理由は何なのか。
もしかしたら、多様な刺激やストレスに揉まれることを避けているのか。
今の環境を捨てて新しい挑戦をすることを避けているのか。
家を出てひとり暮らしという面倒くささから逃げているのか。
知らない土地、知っている人が誰もいないところに行くのが不安なのか。
地元の方が気心が知れた同級生がいて気楽なのか。
親元にいたほうがお金もかからず家事も不要で安心なのか。
もしそうなら、成功はおぼつかないのではないでしょうか。
もちろん、何をもって成功というかは人によって定義が異なり、本人にとっては地元で暮らすことが成功なのかもしれません。だから、仮にそうだとしても、そういう考えを否定するわけではありません。
生活費が安いが、収入も低い
しかし、「マイルドヤンキー」という言葉がメディアを踊っていたこともありますが、ずっと地元から出ない人は収入面でも低いとされています。
・マイルドヤンキー
地元に根ざし、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活をベースとする若者。博報堂ブランドデザイン若者研究所でマーケティングアナリストの原田曜平が提唱している。現代の一般的な若者の志向とされる都市部集中、車離れ、晩婚化、少子化とは異なる経済活動や行動様式を持つと定義され、仲間と同乗して車を使い、地元企業に勤めて週末は幼なじみとショッピングモールに出かけるなど、行動エリアが半径5キロメートル以内で完結するという。
ただしこれも、都会でストレスを抱えるくらいなら収入が低くてもいいという人もいると思いますので、それはそれで本人にとっては大切なことなのでしょう。
生活の条件の優先順位は人によって異なりますから(今の私も、新宿・渋谷・池袋の人の多さにはうんざりで、あまり近寄らないようにしています)。
可愛い子には都会へ行かせよ
あるいは親の方が「仕送り負担が大変だから地元の大学へ行ってくれ」という家庭もあるかもしれません。
それでも、子の可能性を広げるために、学生時代だけでもいいので東京で暮らす。あるいは社会人の数年間を東京で働くことをお勧めしています。
これは田舎や地方がダメということではなく、成功するためには発想の幅、ひいては人間としての幅を広げる必要があり、それには多様性という環境の中に身を置くことが近道だ、ということです。