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TPPとメガFTA 「薔薇色ではないが、お先真っ暗でもない」日本の未来図=子貢

TPPと「メガFTA」構想が浮き彫りにする日本の未来図

ここで漸くTPPの出番ですが、その前に、「メガFTA(注6)なる言葉をご存知でしょうか。

これを知らないと、TPPに就いても「木を見て森を見ず」の状況に陥りかねません。

「メガFTA」に関しては、微に入り細に入った解説を外務省が施してくれていまして、これを読めばTPPの全てが分かると言っても誇張ではないのですが、それによればRCEP(東アジア地域包括的経済連携)、TTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)、日EU経済連携協定(日本EU EPA)、そしてTPPの四本柱から成るのが「メガFTA」です。(注7)(注8)(注9)

そして一目瞭然とはこのこと、四大「メガFTA」の内、日本は三案件に関わっていますし、中韓がTPPから除外されている理由も浮かび上がってきます。

つまり「メガFTA」構想からは、

「環太平洋地域に就いては、米国が主役で日本が準主役。この両国が仕切ることになり、概ね米州は米国が、東南アジアは日本が担当する」
「力関係を勘案すれば、日本は米国に対し、多少の譲歩は強いられるものの、毒素条項は適用されない
東アジアからインドに至る地域は、日本の管轄下に入る。中韓は日本が差配すると共に、中韓から米国への富の移転を監督する」
「環大西洋地域においては、米国が主役でEU(欧州連合)が準主役だが、EUが崩壊過程にあると仮定すると、いずれ米国が欧州を呑み込むことになる」
日本と欧州は、現段階では同格
「ロシアが除外されているが、少なくとも極東は、いずれ日本の経済圏に入る」

と言った「未来図」が浮き彫りになります。

従って安倍政権は、米国大統領選挙の結果次第の側面もありますが、早期に批准する公算が大きいと言う結論に達します。

誤解の無い様に申し上げますと、クリントン候補が当選した場合の方が、日本のTPP批准は暫時先送りになり、トランプ当選の方が早期批准に踏み切り易いのです。

つまりクリントン候補は「支持基盤は黒人、資金源はウォール街」、その矛盾を突かれて苦しんでいるのですから、当選した暁には、黒人を優遇し反ウォール街の姿勢を鮮明にする必要があり、それは保護貿易的傾向を強めることを意味します。

対するトランプ候補は、「反自由貿易主義」を謳って支持を獲得しているのですから、現状では無理ですが、条件さえ整えば、例えば為替水準を是正する「21世紀版プラザ合意」が成立したり、「不公正で不平等な交易条件」が解消されれば(=中国が統制経済と為替操作を放棄すれば)、TPPに就いても話に乗ることが出来ます。

以上を踏まえると、トランプ大統領誕生の方が、安倍総理としては批准し易いと言えますし、TPPが日本の経済成長に寄与すると言う見方は、皮相的と言うか口実に過ぎず、その真相は「今後の国際経済の分捕り合戦」と言って差し支えありません。

Next: 幸か不幸か?日本が「メガFTA」構想で優遇される本当の理由

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(注5)
「米韓FTAの驚くべき内容」(http://www.jpkeizai.info/jeco_weco/fta.html

(注6)
内閣官房TPP政府対策本部「TPP協定交渉について」[PDF](http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ssa/260325setumeikaisiryou.pdf

(注7)
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j-eacepia/

(注8)
環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2014/html/chapter3_03_01.html)

(注9)
日EU経済連携協定(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page6_000042.html

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