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中国の“支配ツール”デジタル人民元が国際通貨になる日。北京五輪で本格始動、世界経済が監視下に=高島康司

「デジタル人民元」の動き

こうした人民元の国際決済通貨化の動きとともに加速しているのが、「デジタル人民元」の導入だ。日本の主要メディアではめったに報じられていないが、気が付くとあっという間に人民元決裁圏に「デジタル人民元」が導入され、それが一帯一路の地域では国際決済通貨になってしまうことだってあり得る。

7月16日、中国の中央銀行である「中国人民銀行」は、「デジタル人民元」の実証実験での取引額が345億元(約5880億円)に達したことを明らかにした。

「中国人民銀行」が公表した「デジタル人民元」の研究開発に関する白書によれば、中国全土で2080万人余りが「デジタル人民元」を保持するバーチャルウォレットを開設し、合計で7,070万件を超える取引が行われたという。

「デジタル人民元」の設計と機能に関する研究開発は基本的に完了し、今後は対象とする実験の範囲をさらに拡大するとしている。

白書は「デジタル人民元」について、一般人の間で流通する中央銀行デジタル通貨(CBDC)であり、国内の流通で使われることを想定している。国際取引への利用は技術的に可能だが、今のところ国内の流通に主に使われることになるという。

2022年2月の冬季オリンピックでデビュー

そして、もっとも気になるデジタル人民元の本格的な導入時期だが、2022年2月の冬季オリンピックに合わせた導入を目指しているというのが一般的な見方だ。このとき、旅行者が中国を訪れた際には「デジタル人民元」用のデジタルウォレットを開くことを許可するとしている。

また、「デジタル人民元」の導入とタイミングを合わせて、上海では税制優遇措置や資本市場の自由化に向けた措置が講じられることが明らかになった。半導体、バイオテクノロジー、航空、人工知能などの新しい主要産業の法人税率が、通常の25%から15%に引き下げられるのだ。

これにより、地元のビジネスマンや起業家、外国人投資家の活動は活性化することが予想され、それが「デジタル人民元」の導入と同じタイミングで行われるため、決済通貨としての「デジタル人民元」の使用も拡大すると見られている。

さらに、上海を巨大な企業特区にすることで、大陸の大都市に適用される新しいモデルの形成をねらっているという見方も強い。

Next: 実験場は次々と拡大中。「デジタル人民元決裁圏」が完成する

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