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恒大危機に笑う習近平。不動産業界は共産党内“敵対勢力”の資金源、権力維持のために救済せず=斎藤満

中国では共産党の一党独裁の形になっていますが、日本でいえば自民党内の派閥争いのような、権力闘争があります。不動産業界は習近平の“敵対勢力”の資金源になっていることから、恒大危機の救済にもあまり熱心ではありません。経済より政権安定をより重視する習近平によって、中国経済はガタガタになっています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年11月26日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

習近平の関心事は経済よりも「政権安定」

中国の不動産開発大手「恒大集団」のデフォルト・リスクを筆頭に、中国で不動産危機が発生するのかどうか、世界が注目しています。

そのカギを握るのは、習近平政権の姿勢です。

その習近平政権の現在の関心事の第一は、政治権力の集中・政権の安定で、経済の安定拡大は二の次です。

国内の政局につながるような経済の混乱は回避するにしても、これまで以上に政治経済学の要素が強くなっています。

それだけに、恒大集団の扱い、不動産市場の今後、ひいては中国経済そのものを見るうえでは、北京政府をめぐる様々な政治要因を無視するわけにはいきません。

3つの政治権力の争い

中国では共産党の一党独裁の形になっていますが、日本でいえば自民党内の派閥争いのような、権力闘争があります。

習近平氏の出身母体である「太子党」のほか、その前のトップ胡錦涛氏が率いる「共産党青年団(共青団)」、その前のリーダーであった上海系の「江沢民派」の3つで、これまではこのうち共青団と江沢民派とが順繰りにトップを握ってきました。

習近平主席からすれば、共青団も江沢民派も、自らの地位を脅かす敵対勢力になるわけで、時間をかけて人事面でこの2勢力の影響力を排除し、習近平氏の側近で脇固めをしようとしています。

そのための3選であり、ここまで後継者を育てずにやってきました。

当面の対抗馬で党内第2位の李克強首相は共青団に属しますが、彼の力を削いで、習近平長期政権を盤石にしようとしています。

Next: 恒大危機は権力争い?敵の資金源・不動産市場の拡大を抑える習近平

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