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恒大危機に笑う習近平。不動産業界は共産党内“敵対勢力”の資金源、権力維持のために救済せず=斎藤満

金の卵を殺してしまう

例えば、中国経済をけん引してきた中国の通信大手に対して、規制・統制を強化しています。

国内での資金調達を規制したり、米国での資本調達も制限しています。これらの多くが江沢民派の企業で、彼らが力をつけ、政府の統制が及ばなくなる事態を警戒しています。

またインターネット、SNSが情報の拡散で民主化を誘導しかねないとして、情報通信分野の規制を強めています。

これらは中国経済にとって「金の卵」です。

こうした企業への規制にとどまらず、政府の統制は個人の生活様式にまで及んでいます。

男性のいでたちが女っぽいとこれを批判し、化粧や服装にまで口出しするようになりました。また勉強の制約になるとして子どものゲーム利用時間を週末の3時間に限定しました。

著名なテニス選手が党幹部に性的関係を強要されたとSNSで告白すると「行方不明」になる事態に、国際世論が動きました。

止まらぬ少子高齢化

また少子高齢化が急速に進み、兵役に就く若者が減り、兵士への年金支給も行き詰まる事態になりました。

慌てて子どもを3人まで持てるように緩和しましたが、出生率が上がりません。その原因として、子どもの教育費、住宅コストの上昇が挙げられています。

「一人っ子政策」を長期間にわたって続けた結果、結婚適齢期の男女バランスが男性余剰となり、家付き、カー付き、高学歴、高収入が必須条件と言われ、教育や住宅コストが上がりました。

そこで政府は塾などの補習教育を規制し、価格が高騰している住宅への借り入れ規制や、もろもろの規制で価格を抑えようとしています。

しかし、借金をして家を買ったり、投資用に不動産を買う人々が多いなかで、住宅価格を下げるようなことをすると、90年代の日本のように資産デフレが債務負担を大きくし、家を売っても借金を返せない状況を生み出します。

日本ではこれが不良債権の増加、金融危機をもたらし、長い間経済の重しになりました。

Next: 子どもが増える前に経済が疲弊。中国は八方塞がり

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