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習近平に暗殺説まで浮上。無謀な上海ロックダウン解除と雲隠れは“政権崩壊”の兆候か=斎藤満

習近平指導体制にゆるみ

その点気になるのが、習近平指導体制のゆるみです。

この春の全人代、ならびに同時開催の政治協商会議で、都合330人もの欠席があったのは異例なことです。4月の政治局会議でも定員の4分の1が欠席しました。

コロナの感染があったとはいえ、これだけの欠席者が出る事態は、人事で何かが起きているか、習近平指導体制にゆるみが出ているのか、気になるところです。

人事に関しては、天津市長がこの春突然死亡したことが取りざたされています。彼は習近平主席の覚えが良く、秋の共産党大会では政治局人事の焦点の1人でした。PCR検査汚職に絡む自殺との見方もありましたが、習近平陣営としては痛手と見られます。

経済政策で李克強氏の復権か

また経済政策でも習近平氏の「失政」が問われるようになり、主導権が習近平氏から李克強首相に傾きつつあります。

2013年の習近平主席就任から最初の5年はむしろ習近平・王岐山副主席のコンビによる政策指導体制でした。

そして輸出主導型の歪みから共同富裕といって格差是正にシフトしましたが、市場や民営企業に対して抑圧的な態度をとってきた習近平主導の経済運営が経済失速の一因と見られています。

実際、昨年3月の5か年計画に盛り込まれた「国内大循環を主体とする双循環論」は保守的な習近平路線の中核となる考えですが、今年3月の政府活動報告にも、全国統一大市場構築の加速に関す党中央・国務院の意見にも入りませんでした。

また習近平氏が共同富裕を提示している中で、李克強首相は中国には貧困層が6億人もいると、格差拡大を訴えていました。

経済運営における習近平氏の存在感が薄れる一方、最近では市場原理重視、改革路線を進める李克強首相の経済政策での存在感が高まっています。

双循環から内需主導型にシフトしているのも、李首相の意向と見られます。

Next: 姿を見せなくなった主席。日本経済にも影響が出るか

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