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日経平均2万9000円台回復は罠。中国の想定外「利下げ」がチャイナショックの呼び水に=角野實

3月から続く円安は終焉?為替への影響は

まず、為替に関して記していきましょう。

世界の基軸はドルです。それに対抗するのはユーロになるのですが、ここ最近のユーロ相場の下落によって、世界経済規模のランキングは「1位:アメリカ、2位:中国、3位:ユーロ圏」となっています。従前までは、「1位:アメリカ、2位:ユーロ圏、3位:中国」でした。

つまり、為替の世界では「ドルが強くなれば、ユーロは安くなる」というのが定説となっていたのですが、ここ最近は「ドルが強いと、ユーロと元が安くなる」という構造変化が起こっているのです。

為替市場は「ドル高→ユーロ安」から、「ドル高→ユーロ安・人民元安」という形に変化をしています。もちろんこれがドル安になれば、反対方向になります。

今回の場合、中国が利下げになり、金利が低水準に移行をしましたので、金利狩り(イールドハンター)と言われる人たちは一斉に中国から逃げ出し、金利の高いアメリカやオセアニアに逃げることになると思います。

つまり人民元安は放置される、ということになります。

上記は世界的な流れで、ローカルの流れになれば、「人民元安→円高」ということになることは以前から言っています。

つまり、アジア地域内では人民元安になれば、円高になる傾向があります。3月から続く円安の流れはこれで終焉の可能性もあることを念頭に置いてください。

3月からの円安というのは、ドル高人民元高によってある意味示現された相場であり、その片割れの人民元高がほぼ解消をしたことになりますので、大幅な円高にはなりませんが、円安の要因が1つ消えたことになります。

円が急騰するのには、ドルが安くなることが見込まれればよい、ということだけです。

では、総合的に考えると「人民元安→ドル高(グローバル)・円高(ローカル)」という動きが基本になるのではないか、と思います。

ドル高・円高ですので、クロス円は下がりやすくなります。ドル高・円高なのに、なぜ株価(日経)は高いのでしょうか?(笑)

この人民元安、中国市場オープンで一息はつくでしょうが、息の長いものになりそうな予感もあります。

Next: なぜ日本株が買われる?チャイナ・ショック再来となるか

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