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ロッテリア“居酒屋化”の動きに賛否両論。“ちょい飲み”需要を取り込み流行の予感も従来の“素面客”との棲み分けが課題に?

ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」が、店舗限定でアルコールを提供するという“居酒屋化”を試験的に始めたところ、これが大好評なのだそうだ。

「ロッテリア バル」と銘打ち、8月8日から13店舗限定で始まったというアルコール提供。同社のリリースによれば、「レモンサワー(350ml)」「ハイボール(350ml)」「アサヒスーパードライ(350ml)」にくわえ、ノンアルコールビールの「アサヒドライゼロ(350ml)」が単品注文できるほか、好みのハンバーガーセットにプラス100円で、ドリンクを上記の4商品に変更することができるとのこと。

ロッテリアの広報が一部メディアの取材に応じたところによると、客からは大変好評だといい、「夜時間帯ニーズの取り込みが見られます」との手ごたえを得ているとのこと。今後は利用者のニーズに合った提供方法を準備したうえで、提供店舗を拡大していきたいとしている。

ファストフード店でも実は珍しくないアルコール提供

外食チェーンだと、コロナ禍以前からブームとなっていたのが、いわゆる“ファミレス飲み”。1人でも入店しやすく、おつまみも充実していて、さらに明るい時間からでも飲めるということで、年齢層や性別を問わず人気を博し、今ではすっかり定番化した感もある。

いっぽうで、今回のロッテリアのようなファストフードチェーンだが、「フレッシュネスバーガー」では、生ビールやワインなど様々なアルコールとおつまみメニューを提供する「フレバル」を一部店舗で展開するほか、「ケンタッキーフライドチキン」でもアルコールの飲み放題を行っている店舗が存在するとのことだ。

このように、ファストフード店でのアルコール提供は決して珍しいことではないようなのだが、そんななかで今回のロッテリアによる「ロッテリア バル」は、セットメニューにプラス100円でアルコールが飲めるようにしているところをみても、先述のフレッシュネスやケンタッキーでのアルコール提供と比較し、より“ちょい飲み”や“せんべろ”といった需要に寄せたい思惑が窺えるところ。

実際、この「ロッテリア バル」という取り組みが広く知れ渡ったのも、“せんべろ”居酒屋などを紹介するサイトのTwitterが取り上げたことが、ひとつのきっかけだったようだ。

例えば1人で外飲みをする際に、ちょっと1杯ほど楽しんでサクッと帰りたいといった気分の時があっても、店への申し訳なさがあったり、あるいはついつい調子に乗ってしまったりして、気付けば杯を重ねてしまうというのはよくある話。

しかしながら、今回の「ロッテリア バル」のように、セットという完結された形でアルコールが供されるのであれば、その1杯で踏ん切りを付けることも色んな意味で容易にできそうで、そういった面も客からの支持や新たな需要創出に繋がっているようだ。

夕方からの開始を待てない呑んべえからの声も…

今回、SNS上でバズったり一部メディアの報道をきっかけで「ロッテリア バル」を知った向きからは、「ぜひ利用したい」といった声がチラホラ。

ただ先述のリリースによれば、実施しているのは関東7店舗、関西3店舗、北海道2店舗、中部1店舗とごく一部店舗に限られており、提供店舗の早期拡大を願う反応も。また、アルコール提供が17:00からなのに対し、一部の呑んべえからは「17時まで待てない」といった声もあがる。

とはいえ、そのいっぽうでは「別にファストフード店で飲みたいとは思わない」「健康志向が強くなっているなかでどうなのか」といった、違和感を訴える反応も少なからず見受けられるところ。

さらに、店にアルコール目当ての呑んべえが増えれば、他の客足が遠のくのでは……といった声も。今後、ロッテリアが他店舗の“居酒屋化”を進める際には、そういった酔客と素面客との棲み分けをどうするのかという点も、大きな課題となりそうだ。

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