国会軽視は自民党の専売特許?
文科委員会法案ゼロ+岸田首相海外出張。
ここから見えるのは、たとえば文科委員会マターの法案をゼロにした背景には、文科委員会では、旧統一教会に解散命令を出すような議論を避けるためではないかという憶測もあります。
野党が旧統一教会の問題を扱う特別委員会の設置を求めても拒否しています。
この問題を追及される予算委も極力開きたくないから、召集を遅らせたり、財務相を出張させたり首相の外遊を組み込んだりして逃げ回っている…。
いやはやなんともはや。国会軽視、旧統一教会問題逃れ……国会軽視は今に始まったわけではなく、民主党政権が終わったあとの自民党政権、いわゆる安倍政権の専売特許です。ずっと国会軽視がまかり通ってきました。
それもこれも、安定多数の議席数によるものだと言わざるを得ません。
防衛費倍増
歴代内閣は、防衛費を国内総生産(GDP)の1%程度に抑えてきましたが、与党・自民党が今後5年以内にNATO(北大西洋条約機構)加盟国並み、つまりGDPの2%程度まで引き上げる方針を打ち出しています。
日本は長く、太平洋戦争の反省から軍事大国にならないように、防衛費をGDPの1%以内にすることを課してきました。
1976年三木武夫内閣での方針決定ですが、その後中曽根康弘内閣時に「1%枠」の撤廃を表明はしましたが、予算編成上では、この「1%枠」というのは象徴的な数字として意識はされてきました。
今になって日本は防衛費を倍増する必要があるのか…?
・ロシアによるウクライナ侵攻
・中国の台湾併合問題
・北朝鮮の危機
これらが防衛費増大の背景にあるようですが、果たして本当にそうなのでしょうか…。
確かにロシアによるウクライナ侵攻は、欧州諸国を震撼させました。それは「地続き」という欧州大陸の宿命でもあり、一部の国で防衛費の見直しの動きが出ているのも確かです。
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵略は2022年2月24日、わずか3日後の2月27日にドイツのショルツ首相は、近年GDP比1.1〜1.4%で推移していた防衛費を同2%超に引き上げる歴史的な方針転換を打ち出しました。
2014年に承認されたNATO(北大西洋条約機構)の“Defense Investment Pledge”(防衛投資誓約)では、防衛費をGDP「2%」にすることは、2024年までの達成が求められているものではありますが、実際に2021年時点で達成しているのは30か国中8か国のみである中で、ロシアによるウクライナへの侵略によって達成に向けた動きが加速することが想定されるとは思います。
それまでNATOに加盟していなかった、ロシアに接するフィンランドやスウェーデンは、今回のことを受けてNATOに加盟しました。
NATOに守ってもらいたい、その意思表示ですね。
地続きの欧州大陸の問題を、隣国というだけで中国という軍事大国に重ね合わせることで日本の防衛費を拡大するという議論になることには、かなりの違和感を感じてしまいますが、防衛費増大を迫るには、絶好の材料となっているようです。
中国が本気で台湾に軍事侵攻するのか……。
そもそも香港と台湾では事情は異なります。もし中国が軍を太平洋に押し出せば国際的に大問題となり、中国という国の存続にも発展しかねないでしょう。経済的にも中国はそのような無理なことをするのでしょうか。中国としては得策とは思えないですけどね。
北朝鮮も日本本土にミサイルを打ち込めば、あるいは米国西海岸やグアムに本当にミサイルを打ち込むようなことがあれば、どうなるかは理解しているはずです。
やるぞやるぞと言ってるうちが効果があるわけで、原子力兵器も存在自体に効果があって“使えない兵器”になっていると専門家も指摘しています。
中国や北朝鮮の存在そのものが「危機」である…。
どちらも「リーダーの資質」なり「国家の特性」を持ち出してきて「何をするかわからない連中」という印象を与えることにあるように思えます。
つまり、「何をしでかすかわからない」人たちが日本の隣国にいるから、日本は軍備を拡張すべきだという理論になっているように思えます。
果たしてこれで良いのでしょうか。
日本と中国は国交を樹立しています。たしかに北朝鮮とは断絶状態ではあります。
戦争をしないために外交はある…この論理も「何をしでかすかわからない」という評価で覆されている状況です。果たしてそれは、本当に正しいのでしょうかね。