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岸田政権「リスキリング」1兆円投資で潤うのは外資とベネッセほか“お友達企業”か?リスキリングサミットに参加して見えた実態=原彰宏

「やりたいこと」を学ぶのではなく、社会に求められているスキルを取得する?

“稼ぐ力”のバージョンアップとは、労働生産性を高めることに繋がります。

岸田総理は「労働移動の円滑化」という表現を使い、付加価値の産業に人が動くことが大事だとしています。労働生産性を高める方向に、人や資本を集中させることで、企業利益向上、その先の賃金上昇につながるとしています。

従業員がより高い労働生産性を得るためにスキルアップする…改めて「リスキリング(Re-skilling)」とは、新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得するあるいはさせることを意味します。

まさに「Skill」、新しい知識や技術を習得するというもので、イメージは「会社従業員の学び直し」です。

つまり、“学ぶ”のは従業員で、“学ばせる”のは企業になります。

似た言葉に「リカレント」というのがあります。「リカレント教育」という表現になりますが、これも「学び直し」ではありますが、費用負担は「自分」になります。自ら進んで大学院で学び直すといったイメージですね。

「リスキリング」は、学びの機会を企業が用意し、費用も企業負担となります。つまり「業務の一環」なのです。

また「スキルアップ」というのもありますが、それは今の知識なり技術を向上させるイメージで、「リスキリング」は、いま習得している技術とは違う、新しいことに挑戦するイメージです。

それは、「やりたいこと」を学ぶのではなく、社会に求められているスキルを取得するといったイメージになります。

俗っぽい言い方をすれば「お金になる」技術の習得という意味合いが、「リスキリング」には含まれている感じです。

図で表すと…

スキルアップ: A → A’
リスキリング: A → A’ +α

これは「株式会社ベネッセコーポレーション」のプレゼン資料から拝借したものです。

ここで民間企業の名前が出てきました。後半のテーマの主役となる企業です。いったんこの企業のことはおいておいて、このまま「リスキリング」の話を続けます。

ちなみに「スキルアップ」は和製英語で、本来の英語は「Upskilling」になります。言葉が逆になるそうですよ。

また、テクノロジーの発達により、従来の職能がAIやロボティックスに取って代わられるときの新しいスキルを学ぶために「リスキリング」があるとしています。

巷では「AI失業」という言葉があるようですが、AIやロボットの発達による“技術的失業を防ぐ”ものとして「リスキリング」が位置づけられています。

「リスキリング」後の処遇を高める…大事なのは、新たな付加価値を高めるスキルを得た人の賃金を上げることが大事です。賃金を上げるものとして岸田総理は「日本にあった職能給の設定」と表現しています。

この流れで岸田総理は「失業なき労働移動」「誰一人取り残さない」という表現を使っています。

Next: 政府の狙いは?「リスキリングサミット」に参加して見えてきた実態

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