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岸田政権「リスキリング」1兆円投資で潤うのは外資とベネッセほか“お友達企業”か?リスキリングサミットに参加して見えた実態=原彰宏

またまたベネッセコーポレーション?

文部科学省の周り、新しい教育事業に関して必ず登場してくるのがベネッセコーポレーションです。

安倍政権下で行われた「公教育への民間企業参画」推進、「公教育の市場化」という課題に関しては、どうしてもきな臭い利権の匂いがしてしまうのです。

そのたびに、ベネッセコーポレーションという企業が登場します。“穿った”見方なのかもしれませんけどね。

ベネッセコーポレーションと言えば、全国一斉大学入試システムにおける「GTEC(ベネッセコーポレーションの検定試験)」採用や、その採点委託で問題になった企業であり、東京都立高校スピーキングテストでベネッセコーポレーション丸抱え問題があったと思います。

この全国一斉大学入試システムにおける「GTEC(ベネッセコーポレーションの検定試験)」採用に関しては、過去にも記事を書いています。

【関連】ベネッセ、文科省と蜜月関係か。英語民間試験「TOEIC不参加」の理由で見えた不平等=原彰宏

この記事では、安倍政権下での「公教育の市場化」についても触れています。

民間企業が公教育に深く関わることは、たとえば「全国学力テスト」を一点に引き受ければ、全国の高校生や大学生の情報が手に入ることになります。

日本全国の小6生と中3生の個人情報なんて“おいしい”ですよね。

企業の従業員の個人情報はどうでしょう。転職希望者の情報とか、スキルが紐付いた人材情報なんてどうでしょう。

当時「公教育の市場化」「公教育への民間参入」に反対していた人たちは「高校が民間企業による利益追求の場となっている」と反対してたように思います。

もちろん企業としての守秘義務、モラルはあるでしょうけどね。

岸田政権「人への投資:5年で1兆円」政策の中身

ここまで読んでいただいたことを踏まえて、岸田政権の「人への投資:5年1兆円」政策の中身を見てください。

私も当日メモしていますが、日経新聞が記事にまとめているので、そちらを引用します。
※参考:転職・副業の受け入れ先支援、学び直し拡充 岸田文雄首相が表明: 日本経済新聞(2022年10月12日配信)

<1つ目の柱>

・企業間や産業間の人材移転を後押しするために、転職や副業などを受け入れる企業への支援を新設・拡充
・学び直しで技能を高めた非正規雇用者を正規雇用に転換する企業への助成を拡充
・有期雇用者らを正社員にする事業主に出す現行の「キャリアアップ助成金」増額検討

<2つ目の柱>

・企業で働く人のキャリアアップを目的とする転職を支援する仕組みづくり
・在職中のリスキリングから転職先探しまで“民間の専門家に一括”して相談できる体制をつくる

<3つ目の柱>

・従業員の学び直しに取り組む企業への支援拡大
・現行の「人材開発支援助成金」は事業主による労働者の訓練経費や訓練中の賃金負担を一定の範囲で支援する。この助成率を引き上げる。

どうでしょう。従業員を抱える企業支援なのですが、そのお金の流れ着く先はどこに行くのでしょうね。転職探しは民間の専門家に一括するとのことですが、具体的にはどこなのか、見極めたいですね。

Next: リスキリングと「労働移動の円滑化」で賃金は上がるか?

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