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宗教とズブズブの自公政権で成立「旧統一教会被害者救済法」は救いになるか?共産党・れいわが最後まで反対した理由=原彰宏

3分の2以下の議員数ではこれが限界かも

連立内に創価学会という宗教法人を抱える自民党と対峙する野党としては、この少ない議員数では、ある程度の妥協も必要かと思います。

衆院が1994年1月29日以来、参院は2013年12月7日以来となる土曜国会となっても、この法案は成立することになりました。

裏を返せば、政権側として会期延長はしたくなかったのでしょう。

そもそも臨時国会召集の翌週1週間、鈴木財務大臣の外遊で空白となったことが良くなかったのではないですかね。政権側のスケジュール管理に問題があったと言わざるを得ません。

今法案に反対の立場を表明した日本共産党はホームページで以下のように主張しています。

新法に求められたのは、統一協会の被害の中心であるマインドコントロール下で行われている献金を禁止する法律になるかどうかです。とりわけ、禁止行為4条6号の「寄付に際して」「不利益を回避するため寄付が必要不可欠なことをつげ、困惑させてはならない」との要件は統一協会の被害実態にあっておらず、救済の範囲を狭めています。

補うものとして、「自由な意思を抑圧し」「適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすること」との配慮義務が盛り込まれましたが、参考人からは「配慮義務だけではほとんど役にたたない」「禁止行為とすべき」との指摘がなされました。この意見を受け止め、被害救済と再発防止のための実効あるものに修正すべきです。

出典:統一協会の被害者救済法案/本村議員の反対討論 要旨/衆院本会議(2022年12月14日配信)

マインドコントロールに関する規制、配慮義務を禁止行為にすべきとの強い主張から、法案には反対を表明しました。

ただ小回答弁でのこれらの主張は傾聴すべきてんが多々あり、賛成に回った立憲民主党にしても、今後の検討項目として、今の「配慮義務」を「禁止行為」として見直すことを取り上げていくことでしょう。

れいわ新選組は、やはりホームページで、すでに被害を受けている被害者を救えないことや、宗教二世が救われないこと、救済内容が限定的である点や、「法人等」としたことにより、規制対象の枠を広げすぎたことを反対理由として掲げています。

確かに、紀藤正樹弁護士も、この法案に対して「未来は守れるが過去の被害者は救えない」とコメントしています。

またこの法案に関して全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の川井康雄弁護士は「正体隠しの違法な伝道活動への正面からの規制が立法されるべきだ」と主張していました。

新法では勧誘する法人名を明らかにするよう求めているが、配慮義務にとどまっており、違反しても勧告の対象にしかならないと指摘しています。

たしかにこの法律には、統一教会の被害実態からすると不足している点はまだまだあると思われます。

与党側も、いくつか指摘されている欠陥を認めつつ、今後の検討会で埋めていくと述べています。それが、その見直し期間を与党3年を野党が主張する2年に短縮したことにあると思います。

未来を守る……過去の被害者救済には不十分ではありますが、それは与野党知恵を絞って前向きに救済していく姿勢を見せるのも大事なような気がします。

罪刑法定主義による「法の不遡及」の原則から、罰則規定がある今回の新法では、過去の被害者をケアすることは厳しいのかもしれませんが、民法の事例もあり、政党の垣根を超えて被害者を救う知恵を出し合ってほしいものです。

Next: この先は被害者が激減する?不十分ながら、まずは第一歩を踏み出した

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