2025年に開催される大阪・関西万博の入場料が、大人7,500円となる見通しだと報じられ、大きな反響を呼んでいるようだ。
万博の入場料を巡っては、政府が19年12月に博覧会国際事務局に提出した登録申請書には、入場券の想定価格を44ドル(当時のレートで約5000円)と記載していた。
ところが、当初は約810億円と想定していた運営費が、物価高などの影響にくわえ、会場内の警備員を増やすなど混雑対策の強化により、当初の予定より数百億円膨らむこととなったことが、入場料アップに繋がったようだ。
いっぽう、万博協会が来場者数と想定収入を試算したところ、想定収入が最も多くなるのは8,500円だったものの、それでは目標の来場者数である2,820万人を下回る予測となり、また府議会でも「高い」といった意見も出たことから、最終的に8,000円を切る価格で決着する見通しとなったという。
「それならユニバ行く」との声も多数
日本で行われた直近の万博といえば2005年の愛知万博だが、その時の大人の入場料は4,600円。また海外に目を向けると、21~22年にアラブ首長国連邦で開催されたドバイ万博が、約3,000円の入場料だったという。
さらに1970年に開催された過去の大阪万博は、大人の入場料が800円だったということで、今度の大阪万博はそのほぼ10倍といった値段に。当然、当時とは物価の差があるものの、実際に1970年と直近(2022年)と比較すると、企業物価指数ベースで約2.1倍、消費者物価指数ベースだと約3.3倍となるようで、それらを考慮してもまったく間に合わないほどの高騰ぶりとなっている。
ちなみに大人の入場料が4,600円だった2005年の愛知万博は、185日間の会期で最終的に約2,205万人の入場者数を記録したということ。いっぽうで2025年の大阪万博は、愛知万博とほぼ同じぐらいの184日間の予定だが、万博協会の試算では大人7,500円にすれば3,036万人の来場者数が見込めると、ある意味で超強気といった試算をしているようだ。
しかしながら、SNS上での“大人7,500円”という価格への反応は、やはり「高い」というものがほとんどといったところ。
大阪といえば、今度の万博が開催される夢洲地区のほど近くにユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)という、誰しもが知る人気スポットが存在するが、そこのいわゆる1日券である「1デイ・スタジオ・パス」が8,600~1万400円(変動制)であることを踏まえ、「それならユニバに行く」との声が多くあがっている状況。さらには、その値段で3,000万人以上の来場者を見込む万博側の“皮算用”にも、冷ややかな視線が集中しているようだ。
7500円出して万博行くくらいならUSJ遊びつくすに決まってんだろww
大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に : 読売新聞オンライン https://t.co/zUkXdAMtq6
— 中原 ソル (@Soru_nyan) June 13, 2023
確かに7500円払うんならユニバ行くよな
— 蒼乃 (@aono_lov) June 14, 2023
想定来場者数、2820万人ねぇ…USJは1500万弱みたいだし、TDLですら3000万人ちょい。この価格だと首都圏からわざわざ出かける馬鹿は少なそうだし、どれだけ強気なの?
大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に : 読売新聞オンライン https://t.co/rZUtQIpjJh
— (@_kyzka) June 13, 2023
いっぽうで、入場料高騰の原因とされる運営費の予想以上の増大だが、これはまさに先の東京五輪と同じ流れじゃないのか……といった声も。
運営費膨張、東京五輪と同じ臭いがしませんか?
万博入場料7500円 運営費膨張で上振れ―大阪:時事ドットコム https://t.co/jVm5FCM8DW
— あめとりん「是々非々」は大事だよ (@2010ameame) June 14, 2023
ほーら、東京五輪同様どんどん費用が増えていく。約3000円だったドバイ万博に比べてすっごくしょぼい維新仕様の内容になるんだろうな。見に行く人がどれだけいるかね。
大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に : 読売新聞オンライン https://t.co/bSQNwZ9wlH
— kaorumikeko (@kaorumikeko) June 13, 2023
どうせ利権絡み、中抜き費が高額なんでしょ
【大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に(読売新聞オンライン)】 https://t.co/qNnfKiIDgU
— Catz (@Nhhidktbrkk) June 13, 2023
東京五輪の開催経費といえば、招致活動段階では7,000億円程度と示されていたが、蓋を開けてみれば最終的に総額1兆4,238億円と、ほぼ倍増する結果に。
しかもその実態は、パソナなどによる数多の中抜きに留まらず、それどころか汚職・談合まで行われていたことが後に判明。これにより国民の間で、国家的イベントに対するポジティブなイメージなどすっかり霧散しているなか、今度の大阪万博でも同様の展開となるのでは……と、今から心配の声があがっているといった状況だ。
すべてはインバウンド頼みの“皮算用”か
このように、大きな波紋を呼ぶ格好となっている大阪万博の“高すぎる入場料”だが、この強気な価格設定は、インバウンドを大いに当て込んだ故のものではないか、といった見方も広がっているようだ。
USJと比較して "値段が高いのに予想入場者数が3036万人と多すぎる" って話題だけど、インバウンド狙い? 世界に日本を知ってもらう国際博覧会だし、(円安も加味して) 貧乏な日本人より、外国人が主なターゲット?
大阪万博の入場料 大人7500円 運営費膨らみ異例の高額に⚡
<https://t.co/zh9rj3BogY> pic.twitter.com/xgUUA6Y60O— 田中伸幸@tanakas.eth (@name6less9) June 13, 2023
大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に : 読売新聞オンライン https://t.co/PcIS4Ki0qs
国民が貧乏な国で万博なんてやるなよ
これもインバウンド狙いですか〜笑
ほんと日本終わってるな
政権握ってる政治家が酷すぎる#モーニングショー— リカはギャル1/4ロシアの血LGBT️L趣味は人間観察 (@rika18aniota) June 13, 2023
最盛期の2019年には、約3,188万人にものぼったインバウンド。コロナ禍ではすっかり落ち込んだものの、水際対策が緩和された後は急激に回復しており、今年3月の訪日客数は181.7万人と、コロナ前の2019年同月の66%に戻るまでに。
現状では、中国が日本向けの団体旅行を解禁していないものの、今後それが解禁されれば、コロナ前の水準まで戻るのも時間の問題ということで、そうなればすっかり貧乏じみた日本人の国内客を相手にするよりも、金払いが明らかに良いインバウンドをターゲットにしたほうが得策だろうというのだ。
しかも大阪といえば、今年4月に国内で初めてIR(統合型リゾート施設)整備計画が政府から認定。2029年の秋から冬ごろの開業を目指すとしており、そのPR対象としても、日本人よりもインバウンドのほうがうってつけといえそうなのだ。
いうなれば「日本人は眼中になし」といった姿勢も透けて見えなくもない、そんな“大人7,500円”という価格設定なのだが、それだけに国内から相当な不興を買うといった展開となっているようだ。
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