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30年後の日本はもっと悲惨。黒田日銀“異次元緩和”の爪痕がいまの現役世代を苦しめ続ける=神樹兵輔

30年後の「円安・地獄」に備えて「米国ゼロクーポン債」で「自分年金」を用意する

また、将来の超円安に備えて、金利の上がってきた米国の「ゼロクーポン債(ストリップス債)」を、10年後、20年後、30年後に備えた将来の「自分年金」として考えるのも悪くないでしょう。

数年後償還の既発債なら、現在3%以上の年利回りも期待できるからです。

ゼロクーポンとは、利息(クーポン)の付かない割引債のことです。数年後の満期時に1万ドルで償還される割引債なので、その分安く買えて、複利効果が狙えます。

証券会社は手数料がショボいので、ゼロクーポン債についてはほとんど宣伝しませんが、円高の時にこれを買っていた人たちは、現在大きな含み益を抱えています。

たとえば、今から21年後の2044年5月に1万ドルで償還される米国ゼロクーポン債は、現在およそ4,466ドルの割引価格で購入できます。

21年後の満期日に1万ドルで償還されれば、購入時の2.24倍になるわけで、年利回りは概ね3.9%程度ずつ増えた計算になります。そのうえ、さらに円安がすすんでいれば、手取りは大きく膨らみます。

このゼロクーポン債を1ドル140円の時に購入すると、円建ての投資元本は、62万5,200円です。

満期に1万ドルを受け取った時に、今より2倍の円高が進み、1ドル70円になったとしても、受け取る円換算額は、70万0,000円なので、投下した元本は62万5,200円なので元本割れしていません。

むしろ、将来は今よりさらに円安になる懸念のほうが強いのですから、証券会社で既発の米国債の5年や10年、20年といった残存期間のゼロクーポン債を買って、満期まで持てば、今以上の円安になればなるほど、円換算では大いにトクをするでしょう。

1ドル140円が200円になったら、単純に資金が1.4倍に増えたことになり、1ドル140円が250円になったら、1.7倍です。

もちろん、前述の通り、米国ゼロクーポン債を、満期時や途中で売却した際に、購入時よりも円高になっていたら、損をする場合もあります。

いくらまで円高になったら、投資元本割れする可能性があるか――などを検討してから、買うのが安全第一で正解でしょう。

ゆえに購入時は、なるべく円高になったタイミングを狙うことが重要です。

こうした米国ゼロクーポン債の購入は、日本円の将来に極めて悲観的な筆者のような人間にとっては、有効な円安地獄対策になっているわけです。

Next: 地獄の日本の未来は「自助努力」で乗り切るしかない

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