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福井県あわら市の温泉施設で基準値の2300倍のレジオネラ属菌。施設は今年7月にリニューアルしたばかりも消毒用の塩素注入器が故障の失態

福井県あわら市にある温泉施設「セントピアあわら」の浴槽から、基準値の最大2,300倍のレジオネラ属菌が検出されたと報じられている。

報道によれば、施設が今月13日に実施した3か月に1度の定期水質検査で、浴槽の水から菌が検出されたとのこと。水は浴槽に入れる前に配管内で消毒するが、菌を死滅させる働きがある次亜塩素酸を注入する機械が故障していたという。

現時点で健康被害の報告はないということが、今回の検出を受けて施設は営業を休止中。同市は利用後に体調を崩した場合、申し出るよう利用者に呼びかけている。

定期的なレジオネラ属菌検査で発見

福井県屈指の温泉街で「関西の奥座敷」とも呼ばれる芦原温泉にあるセントピアあわらは、地元自治体のあわら市が所有している施設で、1994年に施設供用を開始。

実際の施設の運営のほうだが、同市が3年に一度のペースで指定管理者の公募を行っており、現在は福井県内で数多くの宿泊施設や日帰り温泉施設などの管理運営を行っている地元企業が、その任を担っているようである。

あわら市のホームページには、このセントピアあわらの“業務仕様書”が公開されており、それによればレジオネラ属菌などの発生防止対策として、「浴槽の清掃並びに浴槽、配管、ろ過器の殺菌洗浄を週1回行う」ということで、前日営業終了後に所定量の次亜塩素酸ナトリウムを浴槽や配管などに投入する作業が定められており、さらにレジオネラ属菌検査を年4回実施することも決められていたようだ。

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温浴施設におけるレジオネラ属菌の発生騒ぎは、過去にも多く発生しており、時に死亡者も出てしまうこともあるのだが、そのパターンとしては、先に発症者が発見された後に、検査をしたところ検出……といった経緯も多くみられるところ。

そのようななかで、今回の件に関しては、上記のようなあらかじめ定められた検査によって、レジオネラ属菌が検出される格好となったようだ。

施設は7月にリニューアルされたばかり

当初の報道では、利用者の間で健康被害を訴える報告はあがっていないとされていた今回の件だが、報道が広く伝わったこともあってか、その後に発熱やせき、倦怠感などを訴える相談が、市に対して少なくとも10件あったとのことだ。

先述の通り、施設供用開始から30年弱経過しているということで、今回のレジオネラ属菌発生の原因とされる“配管に薬剤を入れる機械の故障”といった不具合も、経年劣化により起こりかねないといったところ。

ところが、同施設のサイトを見てみると“今年7月7日にリフレッシュオープン”との記載があり、どうやらつい最近、約1か月ほどの期間を掛けて内部改修工事を行っていた模様。同施設のFacebook投稿によれば、この改修工事で浴槽の傷みがきれいになり、また売店・喫茶コーナーの配置換え、コミックコーナーでは人気作の新刊入れ替え等も行われたようだ。

しかしながら、見た目がリフレッシュされた反面で、施設の安全性を保つための設備の不具合は、結果的にまったく顧みられずスルーされてしまう格好に。あるいは、この内部改修工事が、もしかすると設備故障の遠因になった可能性も考えられそうだ。

今回の騒ぎの舞台となったセントピアあわらだが、広く開放的な大浴場にサウナと水風呂、さらに食事処にコミックコーナーを備えた休憩スペースなど、街の温泉施設として一通りの設備が整っている割には、大人の入場料が500円と、いわゆる“銭湯価格”の格安ぶり。

それだけに温泉目当ての観光客以上に、地域の人々らの憩いの場として長年愛されていたようだが、その施設でまさかのレジオネラ属菌検出、しかもリニューアルオープンしたばかりにも関わらず……ということで、地元に与える衝撃はかなり大きなものとなりそうである。

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