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脱毛サロン「シースリー」破産でSNS上に溢れる“一括払い”への後悔。“通い放題”の謳い文句には「ポンジスキームみたいなもの」との声も

女性向け脱毛サロン「シースリー」を運営している「ビューティースリー」が、28日までに東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表し、大きな衝撃が走っている。

報道によれば、同社は回数無制限で利用できる“通い放題プラン”で顧客を獲得したものの、多額の広告宣伝費や店舗の拡大で固定費が増加。新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされたこともあり、経営が行き詰まったという。

負債総額は約80億円で、債権者は通い放題プランなどの会員を中心に約4万6,000人にのぼるとみられるという。

昨年度より激増する脱毛サロンの倒産

脱毛サロンの倒産では、過去3番目の規模という大型倒産となった今回の件。

最近では男性でも通う者が増えるなど人気の脱毛サロンだが、その反面で倒産が激増している状況で、帝国データバンクによれば2022年度の脱毛サロンの倒産件数は7件と、2000年度以降で最悪の数字となったよう。

実際今年に入ってからも、6月に「ウルフクリニック」の名で店舗展開していた男性専門の医療脱毛クリニックが破産し、900人以上の顧客と返金トラブルになっていると報じられるなど、その流れが続いているといった状況だ。

他の報道では、今年8月後半に約28万円を一括払いし“通い放題プラン”を契約したものの、結局一度も施術を受けられなかったという、かなり酷い被害例が紹介されているのだが、SNS上でも「20万くらい無駄に吹っ飛んだ」「40万近く払ったのに」「一括払いにするんじゃなかった」などといった声が多く散見され、かなりの被害の広がりを感じさせるところ。

しかもシースリー側の説明によれば、同店のサービスは今後、とある同業他社の店舗で受けられるとのことだが、シースリーが新宿・銀座・渋谷・池袋などで営業していたのに対し、引き続き施術が受けられる場所というのが都内だとどうやら今のところ町田・北千住に限られるといい、都内一等地の店舗に通っていた利用者からすれば、相当な不便を強いられることとなりそう。

もっとも北海道など地方の利用者は、周辺に営業継続店舗がないという状況に陥る模様。シースリー側はそのことに対し「深くお詫び申し上げるとともに、何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます」と、要は返金に応じるか否かは不透明といった態度を取っており、そういったところも利用者のさらなる怒りを買ってるようだ。

国民生活センターも“都度払い”を推奨

しかしながら、ここまで脱毛サロンの倒産劇が相次ぐこととなると、「こんなことを謳う店は危ない」といったことが、いわゆるパターン化してくるわけだが、SNS上からあがるのはやはり「通い放題」「永久保証」をウリにしているところは危ない……といった見方で、なかには「ポンジスキームみたいなもの」といった声も。

実際、「通い放題」「永久保証」を謳うコースの契約に関しては、一度通ってみて自分には合わないなどの理由で、中途解約・精算しようとしたところ、追加で高額な解約料を請求されたといったケースが続出しているということで、国民生活センターが注意喚起をしているところ。

さらにはその勧誘手法に関しても、「お試し施術」「月額〇〇〇円」など低価格の広告で客を釣り、実際は高額なコースに勧誘、しかも強引に契約を迫ったり急かしたりすることが多くあるといい、苦情が多く寄せられているというのだ。

国民生活センターも、消費者に対して「長期間の契約が心配なときは都度払いができるコースやエステ店を選択しよう」と呼び掛けているよう。今やトラブルが尽きないといったイメージさえ付きまとう脱毛サロンだが、それらに巻き込まれないためにも、利用者側の“自衛”も大いに必要といったところのようだ。

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