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いまや消費税が最大の税収源。国民を翻弄する“増税メガネ”と経団連の増税マッチポンプ=今市太郎

再三の税率アップを経て、消費税率を上げることはこの国の政権にとってはもっとも簡単な徴税方式となってしまっています。しかしながら、もう消費税率を上げるのは限界であり、むしろもっと大きな租税のグランドデザインを考えて、いったん向こう5年程度「消費減税」を実施することで経済が活性化するかどうかを検証する実証実験にでも打って出るぐらいの大胆さが必要な時間帯にさしかかっています。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年10月15日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

「消費税」の使い道は…

本邦で消費税という仕組みが導入されたのはバブルの真っ最中であった1988年のことでした。

しかし、この導入にあたっては70年代に何度も国会に持ち込まれては選挙で自民党が票を減らして導入に至らなかった時期が非常に長く、景気がよくなってきた80年代後半にようやく施行されることとなった、なかなかいわく因縁のあるものです。

当初「消費税法」で定められた同税の収入については、毎年度制度として確立された年金・医療・介護の社会保障給付、並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする……と定められたことから、今でも多くの本邦納税者はこうした目的税と誤解しているようです。

しかしながら、消費税は導入した当初から普通税であり、気がつけばいまや一般財源に充てる税金として機能しているのが現実です。

いまや消費税が国内税収の最多の状況に

今年7月に財務省は、2022年度の国の一般会計の税収が71兆1,373億円で過去最高であったことを発表しています。

その中でも、3年連続で増収となっているのが「消費税」で、23兆792億円と全体の33%弱を構成する最大の税収源となっていることがわかります。

日本の法人税が15兆円弱ですから、消費税の存在感はかなり大きなものとなっているのが現実です。

国内の消費税は導入から10年余りを経て5%、8%、10%とほぼ当たり前のように税率が上昇しています。その昔は導入を巡って凄まじい国民の反対があったこの税金も、税率アップで国民が大きくその導入に選挙で反対するということはすっかり影をひそめてしまった様子。増税は政権次第の状況になってしまっています。

この消費税収の推移を見ますと、たしかに2014年5月に5%から8%に上げた際には一気に増収となっていますが、その後は税率のアップが即税収の増加にはつながらず、消費が伸び悩む局面を何度も経験しているのが正直なところです。

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