すでに半年ぐらい前からそれなりの登録者を抱えている個人YouTuberでも視聴回数が伸びず、収入が激減するケースが増えてきたという話はかなり出回っていました。そして、いよいよ個人YouTuber粛清の時代が到来してしまったようです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年10月28日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
稼げなくなったYouTuber続出
すでに半年ぐらい前からそれなりの登録者を抱えている個人YouTuberでも視聴回数が伸びず、収入が激減するケースが増えてきたという話はかなり出回っていました。
そして、いよいよ個人YouTuber粛清の時代が到来してしまったようです。
きっかけは、TickTokから始まったショート動画への視聴者の人気拡大。どれだけ時間とお金をかけて比較的長めのコンテンツを制作しても、まったくコストが回収できず、旅行やキャンプなど手間とカネのかかるものを手がけるYouTuberは絶滅の危機に瀕しはじめているようです。
60~90秒の短時間動画全盛時代に
YouTuberとしてカネが稼げなくなったといいますと、広告出稿が減ったのかと考える人も多いでしょう。
ところが、実はYouTube自体の広告扱いは順当に増加しています。つまり、決して広告が減少したことがYouTuberの収入を圧迫しはじめているわけではないようです。
あえて言えば、不動産・金融・高級車などの広告主が高い単価を支払ってでもアプローチしたいターゲット顧客を潤沢に視聴者として確保しているYouTuberは、さほど大きな影響を受けていない様子。
しかし、登録者数・視聴者数だけが多くても見ているのは購買力のない中学生や高校生ばかりなどというコンテンツ提供者は、競争相手も多くなり、視聴回数減少に加えて広告単価も低く推移するため、おのずと月間ベースでの広告収入が減る傾向に。さらに、すでにコンテンツの作りがマンネリ化して飽きられている向きは、一気に視聴回数が減少して収入激減に見舞われているといいます。
ただYouTubeへのアクセスユーザーも全体としては減っているわけではなく、多くの視聴者が長尺のコンテンツから60秒~90秒の短時間コンテンツを見る時間が圧倒的に増えているのが、こうした収入激減の大きな要因となっているようです。
かねてからネットで配信される映画やドラマを早送りしないと観られないというウルトラせっかちな輩が市場に増えているという報道は見られたものですが、それがマジョリティになってしまったというのが、今の偽らざる状況といえるようです。
NHKの大河ドラマや朝ドラなどを時間をかけて定時に継続視聴するなどという習慣は、まさに昭和の名残で、団塊の世代が消滅すれば一緒に無くなる運命なのかも知れません。