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泡沫YouTuber一斉駆逐の危機到来。視聴者がショート動画にシフト、手がかかるコンテンツほど収入激減へ=今市太郎

鉄道旅行・ロングドライブ・キャンプ動画などは早晩消滅か

新型コロナ感染が拡大した時期には国内外の移動ができなくなったためか、多くの視聴者が鉄道旅行・ロングドライブ・キャンプなどの動画に集まって視聴回数が伸びたものでした。

しかし足元では、撮影に手間と時間がかかり、さらに編集にも相応の時間を有するコンテンツについてはまったく制作コストを回収できない状況に陥っているYouTuberも多くではじめている様子。たしかに、新しいコンテンツを配信せずに、なんとなくフェードアウト状態の番組提供者も多くなっていることに気づかされます。

意外に強いのは犬や猫の日常動画で、決してカネのかかる無理したものでないコンテンツが人気のようで、逆に飼い主を含めてどこかにでかけるといったような大仰なライフスタイルを見せつける動画は、視聴者から「犬だけ/猫だけ映して見せろ」と要求が出ることもしばしば。

材料は同じでも、どう短時間に見せるかが勝負になってきていることを痛感させられます。

60秒程度のショート動画は撮影時間も短く、編集も簡単で、そのなかでいかに面白いものを見せるかが勝負になりますから、その種の才能のない輩は当然、退場を余儀なくされます。

黎明期から知名度とブランドをしっかり確立してきたごく一部のYouTuberを除けば、後発参入のコンテンツ提供者はすべからく駆逐される運命にあるのかもしれない、かなりクリティカルな状況です。

タイアップ案件として企業からのオファーで商品やサービスを紹介していくコンテンツにシフトするYouTuberも多くなっていますが、ステルスマーケティングに対する規制が厳しくなっているなかで迂闊なものを作ると、法令違反・お縄頂戴にもなりかねませんから、実はこれも微妙です。

かといってTシャツやマグカップ、細かいグッズなどを製作販売すれば、その途端から動画配信ではなく通販となってしまい、在庫が売れ残れば別のリスクが高まることになりますから、迂闊な多展開の判断は禁物の状況です。

自分の将来を考える小学生が一番こうした状況に敏感

実はYouTuberの厳しい収入状況のことを真っ先に理解したのは、本邦の小・中学生だったようで、最近は「大きくなったら何になりたいか」を聞かれても、スポーツ選手という答えは残っていても、「YouTuber」と答える向きは激減し、ベストテンにも入らないという劇的な変化が起きています。

公務員が上位に現れるようになっている状況を見ても子どもたちがもっともよく社会の変化をとらえていることが窺われます。

Next: 好きなことを配信しても食べていけない世界になった

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