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25年度の修学旅行は大阪万博に強制決定?旅行会社による不自然なまでのゴリ押しに「どこかの圧力?」「また学徒動員」と全国で不満が噴出中

2025年4月に開幕する大阪万博だが、ここに来て全国各地の学校において、修学旅行の行き先が否応なしに万博行きと決まる、あるいは決められそうだといった声が相次いであがる事態となっているようだ。

SNS上でみられる声を総合すると、どうやら学校の意向というよりも、旅行会社サイドから大阪万博に行くプランを強くプッシュされるケースが多いようで、例えばこれまで修学旅行は北海道行きが恒例となっていた学校でも、なぜか25年に関しては大阪万博へといった“異例の対応”も発生しているとのこと。

このような、ある意味で不自然とも取れる動きが各地で続出していることに関して、SNS上からは「動員」「どこかの圧力?」といった不審がる意見が噴出。さらに、万博行きの学校がこのまま増える状況となると、関西以外の修学旅行をアテにしている地域の観光産業にも影響が出るのでは……といった心配の声もあがっているようだ。

東京五輪に続く「学徒動員」再びか

万博という国家の威信をかけた一大イベントの動員数アップに、子どもらが楽しみにしている修学旅行を利用しようとしているということで、反発の声が多くあがっている今回の話。

今回のような「動員」ということで思い返されるのだ、同じく国家的プロジェクトだった東京五輪に、都内やその周辺の幼稚園児や小・中・高校生など約81万人を呼ぼうとしただ。

無観客で行われた五輪会場に、未だコロナの脅威が冷めやらぬなか、学生生徒は公共交通機関を利用して来場することが求められたうえ、さらに都立学校においては観戦を拒否した場合、その当日が授業日である場合は欠席扱いにするといった話も浮上するなどしたことで反発が広がり、戦中の「学徒動員」のごとくとの声があがったのも記憶に新しいところである。

そんななか今回の件だが、どうやら旅行会社がしきりに学生・生徒を、大阪万博に行かせたがっているということなのだが、旅行会社といえば、コロナ禍で壊滅的なダメージを負った際に、やれGoToだ、やれ新型コロナ事業やらと、国から手厚い保護を受けまくり、一部ではその甘い汁を必要以上に吸いまくっていたという経緯が。

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それだけにその恩を返すべくと、旅行会社側が自発的にそう思っているのか、あるいはそういった因果を含ませられているのかは不明だが、そういった思惑がこのような動きに繋がっているとも想像でき、それゆえ「圧力か?」といった疑念も広がることとなっているようなのだ。

旅行会社によぎる「開国博Y150」の悪夢

いっぽうで、旅行会社側がここまで大阪万博をプッシュしまくる理由として、忖度や圧力以外で考えられるところといえば、開催まで500日ほどに迫った同万博への関心度の低さ、さらに言えばその不人気ぶりといったところも考えられるところ。

例えば、今年8月に毎日新聞が行った調査では「関心がある」と答えたのは22%と、「関心はない」の63%を大幅に下回る結果となるなど、各メディアなどが随時行う世論調査で、ことごとくその不人気ぶりが露呈する格好となっている大阪万博。

そうでなくとも近年では、博覧会自体がすっかり「オワコン」とみなされ、集客にかなり苦戦したといったものも少なくないわけだが、そんなさっぱり盛り上がらなかった博覧会の典型例とされるのが、2009年に横浜で開催された「開国博Y150」だ。

横浜開港150周年を記念して開催されたこの博覧会だったのだが、会期中の有料入場者数を500万人と見込んでいたところ、実際にはなんと124万人程度に留まるという、いわゆる「大爆死」といった結果に終わることに。

この際、開国博の主催者側と入場券の購入契約を行った大手旅行会社各社の間では、入場券の買い取りに関して「覚書」を交わしており、そこには「買い取り枚数に販売枚数が達しない場合でも購入代金の全額を支払う」との文言があったようなのだが、想定よりもあまりに入場客が少なかったことや、またイベントの企画内容が変更されたことなどを理由に、契約自体が無効だとして、購入代金の全額を支払うことを渋る旅行会社が続出。

結局のところ主催者側は、支払いに応じない旅行会社に対して提訴するという流れになったのだが、その反面で一部の旅行会社からは、売れ残った入場券の代金などの返還を求めて逆に訴えられるという、まさに泥沼の提訴合戦となったのだ。

この開国博の来場者数の見込みが500万人だったのに対して、大阪万博は外国人350万人を含む2800万人の来場を予想と、規模としては当然ながら段違い。それだけに各旅行会社が抱えるチケットの枚数も相当なものになりそうなのだが、先述の通り万博に対する世間からの関心度は低いままで、それどころか批判的な感情を持つ層も相当数存在するといった状況。

このままでは、以前のようにチケットが焦げ付いてしまう可能性も無きにしもあらずということで、大口客でもある修学旅行で急いで捌かないと……という意識が働いたが故に、今回取沙汰されているような現象が起きているとも考えられそうなのだ。

大阪万博が行われる25年度に実施される修学旅行の予定が、各学校で検討され決まりだすのが、だいたい日程の1年以上前となる今ぐらいのタイミング。今後、万博をゴリ押ししたい旅行会社サイドと、それは避けたい生徒やその保護者との間で、行き先を巡って大いに紛糾するといった事態が、全国各地の学校で続発することとなりそうだ。

Next: 「むしろ大阪万博にしてほしい」との意見も…

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