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「牡蠣フェス」集団食中毒で改めて取沙汰されるノロウイルスの恐怖。いっぽう“あたらない牡蠣”の開発も着々進行中も本格流通はまだ先?

1月6~8日に東京・上野恩賜公園で行われたイベント「牡蠣フェス2024」で、一部の来場者が下痢や嘔吐などの症状を訴える事態となっているようだ。

報道によれば、12日時点で約20人から下痢や嘔吐、発熱などの体調不良を訴える連絡が、保健所にあったという。またSNS上でも、イベントに参加したユーザーからノロウイルスの検出を報告する投稿が相次いでいる。

この事態を受けて、同フェスの実行委は公式サイトやSNSを通じてお詫びを行っており、感染状況の詳細が判明したのちに改めて報告する旨が記載されている。

牡蠣の食あたりは自己責任なのか?

広島の呉をはじめ、北海道・岩手・宮城・兵庫から産地自慢の牡蠣が集い、それらの食べ比べができるとともに、さらには各地の日本酒も楽しめるということで、当日は大盛況だったという牡蠣フェス2024。

会場では、直径2mの超巨大鍋で作られた牡蠣鍋のほか、牡蠣グラタンや牡蠣お好み焼きに牡蠣ラーメンなど、牡蠣を用いたありとあらゆる料理が味わえたようだが、いっぽうで今回の食中毒の症状が出てしまった人々は、どうやら「牡蠣のバター醤油」を皆食べていたということ。

海水を大量に吸引する牡蠣などの二枚貝は、その体内に海水中のノロウイルスを蓄積・濃縮しやすいのだが、いっぽうでそのノロウイルスは中心温度85~90℃の状態で90秒以上加熱すると死滅すると言われている。

その点「牡蠣のバター醤油」に関しては、ただでさえ客が大挙して訪れるなかで、素早く料理を提供しようとするばかりに、上記のような十分な加熱がなされないままで出してしまう……といったことが起こりがち、といったところなのだろう。

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そんなノロウイルスの症状といえば、潜伏期間1~3日ほどの後に、吐き気・嘔吐・下痢・発熱・腹痛などの症状が24~48時間は続くということで、過去にノロ感染を体験したことのある人々からは「頭痛+下痢+嘔吐+悪寒で 寝れねぇ食えねえ殺してくれぇ状態が半日は続くから」「上を下への大騒ぎ」などと、そのキツさを訴える声が多くあがっているところ。

ただ、その反面では“牡蠣を食べてあたるのは当然考えられるリスク”といった趣旨の意見も少なくなく、なかには牡蠣での食中毒は風俗店での性病感染と同様で「騒ぐのがヤボ」といった極論も。

また、少しでも今回のようなリスクを回避すべく、衛生面が心配な野外フェスなどで供されるものは食べないようにしている……などといった、各々が自衛策を取りながら牡蠣を楽しんでいるといった声も多くあがっているようだ。

ノロウイルスフリーの“あたらない牡蠣”に集まる期待

このように美味しいのは重々分かっているものの、食あたりが怖くて敬遠しているといった声も多く聞かれる牡蠣なのだが、最近ではなんと“あたらない牡蠣”なるものも出てきているとのこと。

手掛けているのは、オイスターバーを全国展開する「ゼネラル・オイスター」のグループ会社である「ジーオー・ファーム」という企業。

なんでも、ノロウイルスの存在しない水深200メートルよりも深い場所にある海洋深層水を用いて、稚貝から成貝まで完全陸上養殖することで、「ノロウイルスと無縁=あたらない牡蠣」を育てるというのだ。

昨年8月に、この海洋深層水を活用した完全陸上養殖に成功したことを公表した際には、同社の株価が1週間で20%以上も急騰したとのこと。

今回のような食中毒が起これば、なおさら注目と期待を集めることとなりそうなこの“あたらない牡蠣”なのだが、実際に市場流通されるのは2026年以降の予定。さらに、当面は国内外の富裕層向け市場に流通される予定だということで、一般庶民はまだ当分の間、ノロのリスクに慄きながら牡蠣を楽しむということになりそうである。

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