主要マーケットで首位独占。なぜUberは強いのか?
Uberは主要なマーケットでトップシェアとなっている。ライドシェアのみならず、Uber EATSも提供し、Uber Oneというサブスクリプションを提供しており、売上の3割はこのメンバーから、ということである。
少なくとも2020年時点で2,000人のエンジニアを擁しており、研究開発にも多額を投資している。近年では、車内やアプリでの広告からも収入を得ており、Uberとパートナーシップを組むビジネスが増えている。
またUber EATSの発展形としてUber Directがあり、これはホワイトレーベルとして飲食や商品の配達の裏にUberがいる……というモデルだ。例えば、アメリカではiPhoneの配達にUber Directが使われている。
このように、Uberは配達を起点としたエコシステムを構築し、ユーザーやパートナーを囲い込む戦略で成功している。その過程で、データを大量に蓄積し、AIモデルを頻繁に更新しているのだ。
なお、Uberは、自動運転は脅威ではなく、ビジネスをさらに伸ばすチャンスと位置づけており、10社と提携をしている。例えば、Uberでは、グーグルの子会社が提供する自動運転を利用できるようになっている。
日本は官民ともにUberと協同するのが得策?
Uberはすでに「全国ハイヤー・タクシー連合会」に加盟しており、タクシー業界のビジネスパートナーとなっている。
一方でUberは安全性や利便性において先進的な技術を有し、70カ国における規制当局との協議の経験も含め、ライドシェア導入のプロと考えるべきだろう。
日本としては、官民ともに、Uberと協同していくのが最善ではないか。宅配においてはすでに日本で成功している。なお、グローバルではタクシーとのパートナーシップが増えており、Uberのドライバーの5%はタクシーだというから、タクシーと必ずしも排他的な関係ではないとも言える。
日本で、ライドシェアの本格解禁後にUberのドライバーになる場合、個人事業主として働くことが1つの形として想定されるが、現在、日本の個人タクシーはタクシー運転の経験が10年以上あることが要件となっている。
そんな中、4月からタクシー会社の管理下におけるライドシェアが始まるが、6月に向けて法改正も含めて検討する、ということになっている。
岩盤規制と言われる日本にて、すでに世界で実績のあるライドシェアという仕組みがどこまで本格的に実現するのか、変革のスピードと生活者目線での効率性をどこまで追求できるのか、官民の連携に注目したい。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年3月1日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による









