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ブックオフ、国内24店舗で「架空買い取り」などの不正。株主・投資家にしか詫びる気がない同社の姿勢に利用者からは不信の声も

ブックオフグループホールディングスは6日、従業員による架空の買い取りや不適切な在庫計上の不正行為が、国内の直営24店舗で発覚したと発表した。

報道によれば、外部専門家による特別調査委員会の調査によって、取引実態がない買い取りをシステムに記録したり、買い取り点数や金額を水増ししたりして、現金を着服する行為が発覚。また、その行為に伴っての架空の在庫の計上も行われていたとのこと。

ブックオフの直営店では、店長らが棚卸しを実施し店舗在庫の管理にあたっており、複数の店舗を統括するエリアマネジャーが、それらを適切に実施されているか確認していたとのことだが、今回のような不正行為の発見には至らなかったという。

明かされた「架空買い取り」「架空の在庫の計上」の手口

ブックオフグループホールディングスの子会社が運営する複数の店舗で、従業員が架空の買い取りや在庫の不適切な計上、それに現金の不正な取得を行っていることが発覚したことを受けて、実態究明のために国内外のすべての店舗で臨時の棚卸しを行うと公表したのが6月下旬のこと。

【関連】ブックオフ、従業員らの不正が続々発覚で決算延期&全社的総点検へ。「買い取れませんが無料でなら引き取ります」の裏で架空買い取りが横行か?

今年7月現在、日本国内にブックオフは755店舗あるようだが、そのうち直営店はというと約半分にあたる388店舗。それらの店舗での一斉調査が、予定されていた決算を延期してまで行われたわけだが、その結果、上記の通り架空買い取りなどが行われていたのは24店舗に及ぶことが判明。また約7,000万円分の不適切な在庫計上を認識しているという。

しかし、今回の公表はあくまでも中間報告であり、今後は各行為に関する最終的な事実認定や評価を行ったうえで、不正による影響額を算出するということである。

いっぽうで今回の中間報告では、架空買い取りならびに在庫の不適切な計上が行われたにあたっての、その具体的な手口がそれぞれ3パターンあったことも公表された。

それによれば、客への査定金額が適切な買い取りは実際に行われたものの、システムに登録する際にその単価や点数を水増しするなどして、水増し分の現金を着服するといった行為もあったいっぽうで、やはりというか、取引の実態が存在しない買い取りをシステム上に記録し、それに対応する現金を着服するケースもあった模様。

ブックオフ利用者の間においては、かねてから同店では「買い取れませんが無料でなら引き取ります」などといって本などを引き取ってもらったことが、実は買い取りしていたことになっており、本来の買取額を店舗あるいは個々の店員がクスねているのでは、といった疑惑が取沙汰されていたわけだが、まさにその通りだったようなのだ。

また在庫の不適切な計上に関しては、上記のような架空買い取りによって生じる棚卸差異を社内的にごまかすため、架空の在庫金額を記録する行為が行われたいっぽうで、架空買い取りとは関係なく、店舗の業績を良く見せるためにそういった行為が行われたというケースも、なかにはあったようだ。

不正があった店の店名公表を求める声も

このように各店舗の店長や主任といった立場なら、さまざまな手段を用いて在庫をごまかして、会社の金をちょろまかすことができ、その行為が本部などに見つかることは稀有だったという、同社のガバナンスのゆるゆるぶりを露呈する格好となった今回の中間報告。

SNS上の反応としては、こういった会社の“恥”といった内容を、包み隠さず公表したということで「自浄作用がある」といった好意的評価も一部からあがっているものの、やはり多いのは同社に対しての批判的な反応。なかでも、不正行為が認められた24店舗に関して「その店舗名を公開しろ」といった声がかなりあがっているところ。

また今回の中間報告が、同社のコーポレートサイト上のみにしかアップされていない点を挙げ、お詫びする相手は株主だけか、といった不満を持つ向きも一部には存在するようだ。

たしかに今回の件では、一般のブックオフ利用者の立場からするとどちらかというと架空取り引きのほう、無料で引き取られた本が実は買い取られたことになっているのでは……といった、かねてからの疑惑がどうなのかという点に注目が集まりがち。

いっぽうでブックオフ側としては、今回公表された中間報告の最後をみても「株主・投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、心よりお詫び申し上げます」と、真っ先に株主らに詫びているところをみても、あくまでも自社の従業員が会社の金をくすねたことで、会社の業績に悪しき影響を及ぼし、株主・投資家に迷惑をかけたことを、一番の問題点としていることは明らかといったところ。

となれば、一般利用者向けに不正行為を行った店舗名を明かすことなど、別段する必要はないという判断になることも、理解できないこともないのだが……。とにかく、こういった意識のズレが、多くのブックオフ利用者の間で上記のような違和感を大いに抱かせる原因となっているようだ。

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