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京葉線、異例のダイヤ“再改正”。沿線自治体からの反発で一部各停を快速に変更も初日は乗客集中による混雑で結局は遅延する事態に

今年3月に実施されたダイヤ改正を巡って、周辺自治体や沿線利用者から反発の声が多くあがっていたJR京葉線で、今月1日からダイヤが一部変更されたと報じられている。

先のダイヤ改正では、通勤快速が廃止されてしまうなど、通勤時間帯に走る快速のほとんどが各駅停車に変更されたことで、乗車時間が大幅に伸びたと不満が相次いたのだが、今回のダイヤ変更ではその快速が平日は1日に7本、土曜と休日は12本増発されることに。

JR東日本は「引き続き利用状況や利用者の声を見ながら、柔軟に対応していきたい」とコメントしているという。

異例のタイミングでのダイヤ変更に

昨年末にその事実が報じられた際には、事前の相談もなく寝耳に水の話だとして、千葉市の市長がSNS上でその是非を問いかけたこともあり、広く議論が巻き起こることとなった京葉線のダイヤ改正。

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JR側は、通勤快速や快速の混雑が激しいため、一部の列車に集中しないよう混雑を平準化させるための変更だと説明していたのだが、利用者にとっては車内の混雑以上に、乗車時間が長くなることで、家を出る時間を前倒ししないとならないなどの影響が出ることのほうが一大事ということで、多くの批判の声があがることに。

また周辺自治体にとっても、例えば都心へのベットタウンとして開発されている千葉市内の鎌取エリアなどは、それまで通勤快速を利用すれば40分ちょっとで東京駅まで通えると謳っていたのが、ダイヤ改正後は1時間以上かかってしまうこととなり、これでは沿線エリアの不動産価値にも影響が出かねないとして、反発が広がることとなったのだ。

こうした各方面からの反発を受けて、JR側もダイヤの見直しを検討せざる得なくなり、今年5月のタイミングで、京葉線のダイヤの一部をこの9月から変更することを発表

通常だと年に一回、春にしか行われないダイヤ改正がこのタイミングで、しかも沿線自治体などの批判を受ける形でわずか半年程度で見直されるという、異例の展開となったのだ。

ダイヤ改正直後の通勤時間帯の状況は?

このようにして復活することになった、京葉線の朝の通勤時間帯の快速。ダイヤ変更後、初めての平日となった2日朝の状況はというと、やはり快速に乗客が集中することとなったようで、かなりの混雑となった模様。その混雑が原因とされる体調不良者が出てしまい、結局は遅延することとなったようである。

いっぽうでSNS上の一部からは、今回のダイヤ変更に関して「一部の住民エゴに負けた」「ゴネた者勝ち」との評価もあがっているところ。

JRが今回のように沿線自治体などの声を受けて、ダイヤをここまで迅速に変更するというのは珍しいケースなのだが、それが悪しき前例となるとの声もあがっているというのだ。

実際、今回のダイヤ変更に関してだが、快速の増発こそ実現したものの、今年3月のダイヤ改正以前と比べれば、快速の本数はまだまだ少ないといった状況とあって、先述の千葉市長も約半年での再改正に関しては評価したものの、帰りの時間帯などの快速の本数はまだまだ不十分だとして、今後もJRに対して改善等要望を伝えていくとのこと。

ただその反面で、今回のダイヤ変更で快速が増える代わりに、各駅停車の本数は減るということで、各駅停車しか止まらない駅に関しては実質上の減便、さらには電車到着の間隔が歪に空いてしまうことに。

そのため、まさにそのような駅である「新習志野駅」が所在する習志野市の市長からは「駅利用者を粗末に扱う変更だ」との声があがるなど、今回のダイヤ変更に大いに反発しているというのだ。

このように一方の地域の要望を聞けば、別のどこかの地域が割を食ってしまうというのが、ダイヤ改正の難しいところなのだが、今回の変更後もなお各所で不満が噴出している状況ということで、来春のダイヤ改正のタイミングでも、JR側がまたまたダイヤの変更を迫られるのは必至といった情勢のようだ。

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