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高市早苗「サナエノミクス」は日本経済の救世主か、それとも財政崩壊の始まりか。アベノミクス継承の先にある危うさ=原彰宏

日銀が「利上げ」をすれば個人消費や企業の設備投資に悪影響との認識を示し「長いデフレに戻る不安がある」と強調していました。

コストプッシュ型インフレ下は「インフレ」ではない、まだ「デフレ」だ……と高市新総裁は明言しています。

円安についてもメリットがあると指摘しました。

高市氏は「消費マインド、投資マインドを下げることは今しては駄目だ」と明言しています。

円安を巡り「輸出産業はどんどん輸出できるチャンスだ」と言及し、円安で外国為替資金特別会計の剰余金が増加するとも説明しました。

防衛費増額に伴う増税にも反対し、財源として公共事業費などに使う建設国債を充てると主張していました。基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとの政府目標にも苦言を呈し、戦略的な財政出動を訴えました。

増税は反対財源は国債プライマリーバランス黒字化にはこだわらない……。

うん?どこかの野党と同じだな…。
(参考:高市早苗氏、日銀をけん制 「今、利上げはあほ」【自民党総裁選】 – 日本経済新聞

アベノミクスでの第二の矢「機動的な財政出動」、第三の矢「民間投資を喚起する成長戦略」に関しては、サナエノミクスでは少し修正されます。

もっともアベノミクスでは、第二、第三の矢が放たれたかと言えば疑問が残りますけどね。

サナエノミクスでは、国家自らが主役として“財政出動”して、市場に積極的に関与しながら戦略的分野を決めて積極的に投資するという「国家主導型の戦略的資本主義」を取ります。

AIの答えですが「国家主導型の戦略的資本主義」とは、市場原理を活かしつつも、国家が経済の長期的な競争力強化や特定分野の発展を戦略的に推進する資本主義の一形態です。

特に戦後日本の経済発展を分析する中で用いられ、市場メカニズムに沿いながら国家の戦略的な関与によって国際的な競争力を高める体制を指します。

中国の社会主義市場経済も、共産党支配を維持しつつ市場原理を活用して富を増やすという点で、国家が経済を主導する典型例として挙げられます。

「国家主導」のワードに高市早苗色を強く感じる一方で、「国家が選ぶ」という観点に、一抹の危うさをも感じますね。

「責任ある積極財政」とは

高市早苗氏は、選挙に向けての公約を、ネットサイトで公開しています。経済政策に関してそこでは「責任ある積極財政」という文言が出てきます。
(参考:総裁選公約 – 【公式】高市早苗 自民党 総裁選 特設サイト 2025|日本列島を強く、豊かに。

「危機管理投資」と「成長投資」という文言も出てきます。

高市氏が唱える「国家の使命」とは、国民の皆様の生命と財産を守りぬくこと領土・領海・超空・資源を守り抜くこと国家の主権と名誉を守り抜くことを掲げています。

これに彼女が公言している「日本国憲法の改正」「皇統の護持」をかけ合わせ、さらに彼女の強力な支持母体である「岩盤保守層」や党内保守系議員グループの指示で支えられているということからこの「国家の使命」を眺めると、また違った景色が見えてきそうではあります。

経済における「危機管理投資」の「危機」の捉え方にも含みがあるようです。

「成長投資」は、AIや量子分野などが挙げられるでしょう。

経済が成長すれば税収は増える……高市氏の経済政策の根本にこれがあるようです。

だから「プライマリーバランス黒字化にはこだわらない」という考えで、財政出動に積極的な姿勢になるのでしょう。

財政規律の凍結です。財務省デモの主張通り、庶民の感情を掴んだような政策ですね。

ただ、海外投資家による「日本売り」が浴びせられないか、トリプル安に見舞われないか。英トラス・ショックの再来にはならないのか……といった根本的な、超最悪シナリオが思い返されます。

参院選で争点となった消費税の引き下げについては自民党内で多数派意見とならなかったことを踏まえ「選択肢として放棄しないが、すぐに対応できることを優先したい」と述べました。

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