為替リスクという幻を直ちに捨て去るべし
冒頭で次の2つの問題を出しました。
(問題1)
東京証券取引所でトヨタ日本株を買うのと、ニューヨーク証券取引所でトヨタ米国株を買うのとでは、どちらがリターンが大きいのでしょうか?
(問題2)
日本に住んでいる私たちがニューヨーク証券取引所に上場しているトヨタ米国株を購入した場合、為替リスクが生じるのでしょうか?
もしこの問題の文中にある「トヨタ自動車株」を、トヨタの人気車種「プリウス」に書き換えると、かなり見え方が違ってくると思います。
(問題1)
日本でプリウスを買うのと、米国でプリウスを買うのとでは、どちらがお得でしょうか?
(問題2)
日本に住んでいる私たちが米国のプリウスを購入して現地の車庫に保管した場合、為替リスクが生じるのでしょうか?
自動車は右ハンドルや左ハンドルなど日本と米国で仕様が異なる部分も多いのですが、プリウス自体の価値はどの国でも同じはずです。
- 円安→日本のプリウスの値段が上がる
- 円高→日本のプリウスの値段が下がる
- ドル安→米国のプリウスの値段が上がる
- ドル高→米国のプリウスの値段が下がる
一見すると、プリウスの価値が上がったり下がったりしているように見えますが、そうではありません。上がったり下がったりしているのは、通貨の方です。すべての通貨は、商品価値を測る物差しに過ぎません。
【間違った幻想】通貨価値→商品価値
【正しい認識】商品価値→通貨価値
通貨価値を中心に考えるのではなく、商品価値を中心に考えるのが正解です。
そして、株式を購入するという行為は企業の一部を所有することを意味します。そのため、投資家は為替レートの変動を気にせずに、価値が上昇していく企業に投資することを最も優先すべきです。
「将来、円高になるから日本株を保有する」
→しかし、円高になった分、日本株は下落する。
「将来、ドル高になるから米国株を保有する」
→しかし、ドル高になった分、米国株は下落する。
地政学的なリスクを分散するという目的で様々な国の企業に分散投資するのなら、まだ意味を見出せるかもしれません。しかし、世界中がインターネットで繋がれた現代においては、その効果は限定的でしょう。
日本株でも外国株でも同じ目線で評価して、ポートフォリオに組み込みましょう。結論、為替リスクは「幻」です。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2017年3月12日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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