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それはジョブズの夢。日本のスイカが「世界共通乗車券」になる日=岩田昭男

2020年の想像図。東京五輪直前の成田空港はこれが当たり前になる

※以下のシミュレーションは筆者の想像によるものです

オリンピックまで1週間という時、成田空港は大混雑していた。世界中から人々がどっと押し寄せてきたからだ。ルーマニア人の家族連れもその中にいた。夫婦と子供(女子中学生)1人の3人家族だった。子供の夏休みを利用して2週間の予定の日本の旅であった。オリンピックを1週間ほど見て、残りは京都・大阪を回ってみようというプランであったが、詳しいことは何も決めていない。

最初に困ったのが両替だった。そこで到着ロビーに入るとすぐに一家は総合案内所に立ち寄った。そこには女性のガイドが1人いた。大きなボストンバッグを押しながら父親が早口で聞いた。ルーマニア語なのでなかなかわからない。「両替所はどこか」と聞くのだが、ガイドの女性は困った顔をした。

<「日本にいらっしゃるかぎり、お金に困る事はありません」>

ガイドの女性は「ちょっと待って」と言葉を遮り、机の上にあるタブレットのスイッチを入れた。翻訳のできる機械をオンにしたのだ。「これで大丈夫ですね」と流暢なルーマニア語が流れた。

「これは便利だ」とお父さんは驚いていった。その言葉がそのまま日本語変換されて流れる。「どうされました」とガイドが聞いた。「両替したいんだ、どこにある」。早口のルーマニア語だが、それが完璧な日本語になって流れてくる。

「ちょっと待ってください。両替所はすぐ裏です。それより得する情報があります。あなたはスマホを持っていますよね」「私は両替をしたいだけだよ」父親はいらついて言った。「わかってます。それはすぐにできます。その前にちょっと説明をさせてくださいね」。

「スマホなら女房も俺も持ってるし、娘も持ってるぞ」と言って、父親は3台のスマホをテーブルの上に置いた。「はい、ありがとうございます。皆さんiPhoneですね。それなら安心ですよ。電車に乗るのも買い物するのもそれ1つでできますから、日本にいらっしゃるかぎり、お金に困る事はありません」「ほんとですか」。それを聞いて3人は明るい顔になった。

「で、どうするんだ。どうやればいいんだ」「はい、Suicaはプリインストールされていますから、あとは2000円分チャージするだけです」「そのやり方は?」「簡単ですよ。ここをクリックすればいいんです」政府のサイトに移って、そこにあるURLをクリックするだけだ。

「こうですか」スマホに詳しい中学生の女の子が父親に代わって操作した。「そう」「わっ、ほんとだパパ、お金が入ってきたよ」画面のメーター値が次第に大きくなる。「どれどれ。2000円が入るところか。あっという間だ。私もやってみよう」父親も身を乗り出して、iPhoneを覗き込むとクリックした。

<日本政府もSuicaの普及を後押し>

日本政府が1人2000円分のボーナスを出してくれるんですよ。それを使って東京オリンピックの会場まで行くことができます」。「タダで行けるのは嬉しいね」「皆さん、そうおっしゃいますよ」「ありがとう」「どういたしまして。それではチャージの仕方とか利用できるお店の紹介のパンフレットもありますので、こちらも一緒にお持ちください」。そう言って、案内の女性はルーマニア人を送り出した。

家族は大喜びだった。早速、父親は、オリンピック会場の選定をはじめた。地図を広げて見入っていると、子供が「寿司が食べたい」と言いだした。それに対して、インテリ風の母親は「歌舞伎が見たかったんだから、今からいきましょう」と言いだした。それを聞いた父親は「やっぱりラーメンだな。一度食べてみたいと思っているんだ」と皆が別々の希望を語りだした。

Suicaのおかげで、日本旅行はもう何も心配する必要のない気楽な旅になりそうだった。というのも、Apple Payが入ったiPhoneを持ってさえいれば、それだけで買い物もできるし、電車に乗ることができる。それに、クレジットカードでチャージ設定しておけば、オートチャージでお金に困ることはない。両替で高い手数料を取られることがなくなると考えるだけでも、精神衛生上よかった。つくづく日本は安全な国で気持ちのよい国だと、一変に好きになった。

Next: SuicaとApple Payで「日本の好感度」はさらにアップする

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