21世紀の「テロとの戦い」でS&P500はどう動いた?
第二次世界大戦が起きても、S&P500も日経平均株価も大きくは下落しませんでした。そして、戦後に日経平均株価が急騰したのは、社会インフラの毀損と政府の財政破綻によるハイパーインフレが原因でした。
そこでここからは、近年に発生した地政学的な有事がどのぐらい株価に影響を及ぼしたのかを見ていきます。
あの第二次世界大戦でさえ大きくは下落していなかったので、それほど影響は受けていないはずですが、一応、確認していきましょう。
S&P500を中心にチェックしたいと思いますので、米国に関係する地政学的な有事をリストアップします。
<21世紀以降で発生した米国が関係した主な有事>
2001年9月11日:米国同時多発テロ
2001年~2014年:アフガニスタン紛争
2003年~2011年:イラク戦争
※他にも多くあります。
米国同時多発テロが発生した2001年9月11日は、S&P500が大きく下落しました。1,100ドルから950ドル近辺まで落ちています(約14%弱、下落しました)。しかし、すぐに反転して、1ヵ月後には元の水準まで回復しています。
<S&P500 米国同時多発テロ(2001年)>
アフガニスタン紛争やイラク戦争については、株価チャートを見る限り影響はほぼありませんでした。
2001年以降、S&P500は次のように推移しています。
<S&P500 2001年~2017年現在>
2008年のリーマンショックの影響で大きく下落しています。株価に対しては、戦争などの地政学的な有事よりも、金融危機の方が圧倒的に大きな影響を与えることがよくわかります。
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