国民に全く知らされていない「四期連続マイナス&ゼロ成長」
(3)「内需経済」はマイナス成長している!
ちなみに、純輸出の影響を除いた「内需の寄与率」(名目)を下記データから求めると、なんと「-0.1」。つまり、内需はマイナス成長しているのです。ということは今回「輸入が減った」(これも内需の縮小を一部反映しています)ことで、内需の縮小分が埋め合わされ、かろうじて名目成長がプラスに「見えていた」というだけだという次第。
この報道では、「個人消費と設備投資は、依然弱いまま」と、さも弱いが内需は成長しているかのように書かれていますが、実際は内需は「衰弱=マイナス成長」しているのです。
(4)四期連続マイナス&ゼロ成長
さらに、過去1年間の内需の寄与率(名目)を見ると、「−0.6、−0.1、0、−0.1」と、四期連続マイナス&ゼロ成長(!)。そしてこの一年間の輸入量は減少(なので寄与率はプラスになります)、常にプラス。これまで過去一年間の名目成長はすべて「輸入減」によって支えられてきたという次第なのです。この事実は、国民に全く知らされていません。
(5)「公共投資」拡大が、大幅景気凋落をかろうじて支えている
また、この4期のうち、前期(本年4ー6月期)だけ、かろうじて「内需マイナス成長」が避けられ「ゼロ」成長で「持ちこたえた」のですが、それを支えたのは、公的固定資本形成つまり公共投資だったのです。
要するに、過去一年間、日本の国内経済は縮小し続け、4-6月期だけは「公共投資の前倒し執行」によって、かろうじて「マイナスが避けられた」という次第です。逆に言うなら、政府支出の拡大がなければ、内需経済は四期連続マイナス成長という、恐るべき「リセッション状態」にあったということになるのです。
このことは日本経済成長のためには、大規模な財政政策を、「民需が活性化」するまで、一定期間継続させることが必要不可欠であることを示しています。