オバマ政権とトランプ政権、たった1つの大きな違い
しかし、オバマ政権とトランプ政権を分ける大きなポイントは、ユーラシアで拡大する勢力としてロシアではなく、中国を優先しているということである。
オバマ政権は、「ハートランド理論」に基づくロシア敵対策で失敗した。むしろロシアを拡大する中国とイランに接近させ、ユーラシアにアメリカに敵対的な勢力圏を形成させることになってしまった。
そこでトランプ政権は、ロシアを抱き込み、ユーラシアで勢力を拡大している中国とイランを徹底して押さえ込み、そのようにしてアメリカのスーパーパワーとしての覇権を維持する狙いだ。
反ネオコン、反グローバリズムと伝統的な覇権主義
さて、こうして見ると違和感を覚えざるを得ない。トランプ政権は反ネオコン、反グローバリズム、そして反軍産複合体の主要な人物が結集した政権ではなかったか?
そうであることは間違いない。しかし、エングドールの指摘していることから考えると、反ネオコン、反グローバリズムの政権であったとしても、アメリカが戦後長きにわたって追求してきた伝統的な覇権主義は、放棄するどころかむしろ強められるのではないかということである。
どちらの予想が現実となるか?
さて今回は、トランプ政権の外交政策の狙いに関する2つの異なった予想を紹介した。いまトランプ政権の方向性を固唾を飲んで見ているとき、重要な視点ではないかと思う。
果たしてトランプ政権は、覇権失墜を容認した多極化型国際秩序の政権なのだろうか?それとも、アメリカの覇権強化を目標にした伝統的な覇権主義の政権なのだろうか?どちらの予想が的中するのだろうか?注視しなければならない。
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※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2016年12月9日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ(2016年12月9日号)より一部抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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