「黒田オフレコ発言」衝撃の中身とは?
ここでは、週刊ポスト2015年3月20日号から、その一部を抜粋します。
黒田総裁は昨年12月に日本国債の格付けが引き下げられた影響を非常に心配していたようだ。これまで銀行が保有する国債はリスクゼロ資産とされていた。
しかし、スイスに本部を置くバーゼル銀行監督委員会では、国債をリスク資産と見なし、格付けに応じて査定するように銀行の審査基準を変更する議論が始まったという。黒田さんはそのことを詳細に説明したうえで、“基準が見直されれば大量の国債を保有する日本の金融機関の経営が悪化し、国債が売れなくなって金利急騰につながりかねない”と指摘した。
金融政策の責任者である黒田総裁が首相の前で“日本国債はもうダメかもしれない”と弱音を漏らしたのだから、この黒田発言が「オフレコ」となったのも当然である。
「日本国債は、もうダメかもしれない」という黒田総裁の発言に安倍官邸は激怒して、すぐさま議事録から削除することを命令し、マスコミ各社には箝口令が敷かれたのです。
先週の政府の経済財政諮問会議で、日銀の黒田総裁が日本国債の将来的なリスクについて言及したにもかかわらず、議事要旨から削除されていたことが分かりました。
(経済部・門秀一記者報告)
前回の諮問会議は財政健全化がテーマでした。議事要旨の黒田総裁の発言部分、私が読んでも1分ほどです。しかし、実は自ら発言を求め、5分以上も日本国債のリスクなどについて話していて、そうした発言は議事録から削除されていました。
日本は、すでに戦時中と同じように、破滅前夜の言論統制下に置かれているのですが、国民は、GPIFと日銀の買い上げによって価格が吊り上げられている日経平均株価を信じ込まされているので、この信じがたい危機について無頓着なのです。
この黒田総裁のオフレコ発言が行われた「経済財政諮問会議」の7日前、ロイターが「日銀がマイナス金利導入に踏み切らざるを得なくなった裏舞台」について記事にしています。
日銀の黒田東彦総裁は、2月12日の日本国政府の「経済財政諮問会議」を控えて、1月22日、スイス・ダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」に参加するため、あわただしく東京・日本橋本石町の日銀本店をあとにしました。
複数の関係筋によると、黒田総裁はその直前、現行の量的・質的金融緩和(QQE)の継続を前提に「追加緩和の案を用意するように」と事務方に指示したということです。
1月26日に「ダボス会議」から帰国した黒田総裁から提示されたのが、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」だったのです。